たまごっちをご記憶だろうか。イグノーベル賞さえ受賞した大人気キャラクター製品だ。このたまごっち風のテイストをつかって、ワークアウトのモチベーションを高めようとするアプリケーションが登場した。その名をTepという。キャラクターはキリンを模したもので、運動することでこのキリンに餌を与えたりすることができるようになる。
モチベーションの維持にキャラクターを使っているという点を除けば、RunKeeperやRuntasticなどと同様の機能を持つプロダクトだといって良い。どういった運動を行うかを設定して、スタートボタンを押す。すると移動距離や継続時間、あるいはペースなどを記録してくれるというものだ。リアルタイムでの音声フィードバックを得ることもできる。対応しているのはiOS、Android、およびWindows Phoneだ。
ワークアウトを完了するとコインがもらえるようになっている。このコインを使ってバーチャルペットの面倒をみることができる。たとえば餌を買って与えたり、あるいは飼育環境のアップグレードを行うことができるのだ。ややわざとらしい感じがするものの、キリンキャラクターがかわいいので細かいことは気にならなくなる。
ちなみにTepはFitbitやJawboneと連携させることもできる。そうすることで、スマートフォン側のGPSを使わずともフィットネストラッキングが行えるようになっているわけだ。
たまごっちといえば、今でいう「free-to-play」ゲームの嚆矢ということもできよう。たまごっちにさほどの機能はないものの、しかし面倒をみるうちにどうしても手放せないものとなっていった。5日も一緒にすごせば、もうたまごっちなしではいられないという状況になるのだ。せっかく育ててきたものを、絶対にダメにしたくないという気分になる人が多かったのだろう。
それも含めて、たまごっちは「ゲーミフィケーション」のお手本でもあるだろう。Tepはこのお手本に従ったというわけだ。もちろん「たまごっち風」がもたらすノスタルジーも狙っているのだろう。フィットネスアプリケーションを使う年代には、リアルタイムでたまごっちに親しんだ人も多いだろうという狙いだ。
Apple Watchを身に着けてフィットネスを行えばバッジをゲットすることができる。しかしこれでは、フィットネスを行うモチベーションを高める効果は限定的なものとなるだろう。フィットネスをしてよく頑張りましたというバーチャルメダルをもらっても別に嬉しくもないという人も多いはずだ。ただ、かわいらしいキリンの成長がかかっているとなれば話は別だ。RunKeeperを使えば、もしかすると速く走れるようになり、自分の運動能力をあげるのに役立つかもしれない。しかし運動の継続という面では、Tepの方がより高い効果を示すこともあるのではなかろうか。
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(翻訳:Maeda, H)