「ハト」2羽を軌道に乗せたPlanet Labs、次は史上最大の人工衛星群を打上げ準備中

衛星画像のスタートアップ、Planet Labsが人工衛星2機を軌道に乗せることに成功した。しかし、同社最大の節目はこれからだ。低価格、低空飛行の人工衛星 “dove”[ハト]を製造する同社は、史上最大の地球撮影衛星群の打上げ準備に入っている。

Planet Labsは、製作、運用を超効率化し、衛星写真のコストを下げより良い画像をより頻繁に撮影できる人工衛星を製造している。同社の “dove” は、従来の衛星よりはるかに小さく、ずっと低く飛ぶ。軌道は従来の地上800~1200kmに対して、400~500kmだ。ただし、Planet Labsのハトたちは長く生きることはできず、寿命は従来の約3年に対して1年だ。

短命の商用衛星を作るもう一つの利点は、Planet Labsが高頻度で機器をアップグレードできることで、最新バージョンのハトには最新の技術を適用できる。寿命が来る前に故障することのないよう数年をかけて開発する伝統的衛星工場とは対照的だ。「ハト」たちは、事実上使い捨てを前提に作られている ― そしてそれは優れた考えだ。

これらの衛星は地球にずっと近いため、高解像度の画像を撮影することが可能で、森林破壊の監視や農場の改善、自然災害の追跡など様々な応用分野に利用できる。Planet Labsの共同ファウンダー・CEO、Will Marshallは、同社のデータに興味を持つパートナー数社と関わっていると言ったが、具体的な名前は明かさなかった。

すでにPlanet Labsは、Dove 1およびDove 2の衛星2機から画像を配信している。最近、ロシアのドニエプル・ロケットを使って新たにDove 3、Dove 4を打ち上げた。しかし、メインイベントは、12月に予定されているFlock 1衛星群の打ち上げだ。

同社初の衛星群はdove 28機からなり、バージニア州のNASAワロップス飛行施設からアンタレス・ロケットに乗って発射される。この衛星群は地球全体の画像を非常に短い時間隔で撮影することが可能なため、企業等に前例のない量のデータを提供するだろう。

Planet Labsは、元NASAの物理学者、Will Marshall、Robbie Schingler、およびChris Boshuizenの3人が設立した。同社は、Draper Fisher Jurvetson、Capricorn Investment Group、O’Reilly AlphaTech Ventures、Founders Fund Angel、Eric Schmidt’s Innovation Endeavors、Data Collective、およびFirst Round Capitalから1300万ドルの資金を調達した。

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(翻訳:Nob Takahashi)


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TechCrunch Japan

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