「今までにないカルチャーの届け方を発明したい」インスタストーリーメディア「lute」が8000万円を調達

「インスタ映え」が2017年の流行語大賞候補になるほど、日本国内でも知名度が高まり多くのユーザーを抱えるInstagram。中でも24時間で投稿が消えるStories(ストーリー機能)は若い世代を中心によく活用されている。

そんなInstagram Storiesを使って様々な短尺動画コンテンツを配信しているのが、カルチャー系メディア「lute」だ。同サービスを提供するluteは11月17日、gumi ventures、Candee、allfuzおよび個人投資家から総額8000万円を調達したことを明らかにした。

luteは分散型の動画メディアとして2016年にβ版をリリース。ライフハッカー編集部を経てエイベックス・デジタルに入社した五十嵐弘彦氏が、社内の新規事業として立ち上げたのが始まりだ。もともとはアーティストのMVやライブ映像、ドキュメンタリーといった動画をYouTubeを中心に展開していた。

そこから主戦場をInstagramに移し、2017年8月にInstagram Storiesメディアとして正式にスタート。同時期に独立する形でluteを設立、五十嵐氏が代表取締役社長に就任している。

「デジタルネイティブ世代は、MacBookなどPCを持ってない人も多くiPhoneで動画コンテンツを視聴する。そのような世代で特にカルチャー系の情報に関心が高いユーザーが集まっているのがInstagram Storiesだと考えた」(五十嵐氏)

luteで配信されるコンテンツには、アーティストが影響を受けた映画やMVなどの作品をバイオグラフィーと重ねながらプレゼン形式で紹介する「マイベスト」や、長尺のインタビューの中から印象的な一言をピックアップした短尺動画を「インタビュー」などがある。

「情報過多の社会においては、若い人達が1つのコンテンツに対して使ってくれる時間も限られる。luteのミッションは素晴らしいカルチャーのエッセンスを短時間に凝縮して届けること」(五十嵐氏)

動画自体は短尺ですぐに視聴できるものだが、スワイプアップ機能を使って商品ページや長尺の本編インタビューへ誘引するなど、Storiesの特徴を踏まえてコンテンツの見せ方を工夫している点は興味深い。先日Instagramでハッシュタグをフォローできる機能についても紹介したが、配信先のプラットフォーム自体が日々進化している。五十嵐氏の話では、新しい機能も活用しながら今後より楽しいコンテンツを作っていきたいということだ。

「人気を集めるコンテンツは動画というよりも雑誌の感覚に近いものが多いなど、3ヶ月取り組んできた中でわかったことも多い。Storiesはシンプルな設計だが、その中でユーザーと連動して楽しめるようなコンテンツや今までにないカルチャーの届け方を発明したい」(五十嵐氏)

また現在luteではカルチャーメディアに加えて、マネージメント事業や受託事業も手がけている。「エンタメ業界はビジネスモデルの転換期を迎えている。(複数事業を連携させながら)アーティストなどが稼げるビジネスモデルを作っていく」(五十嵐氏)

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TechCrunch Japan

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