スタートアップの課題となるのは、採用や組織運営などいわゆるHR領域の話であることも少なくない。先日新ファンドの組成を行ったグロービス・キャピタル・マネジメント(GCP)でもIR、PR、HRの「3R」の支援を行っているという話があったが、米国の大手VCなどを中心にHRやPRを支援するような仕組みを内部に持っているケースも少なくない。
そんな中、サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)も投資先スタートアップのHR支援に乗り出した。同社はインテリジェンスと組み、支援先企業の採用・組織に関する課題解決を支援する組織「HR Support Team」を設置することを明らかにした。
HR Support Teamでは、人材の採用・配置・育成や組織マネジメントに関する相談・コンサルティングを実施するだけでなく、インテリジェンスを通じた人材紹介において、企業の成長ステージに応じて採用手数料や支払期日が変動する特別プランを提供する。ステージにもよるが、「支払いは次の資金調達を行った際に行う」といった条件も用意するのだという。
果たしてそれでビジネスになるのか? とも思うのだが、CAVのHRアクセラレーターとしてHR Support Teamに参加するインテリジェンスの佐古雅亮氏によると、「ビジネス以上にスタートアップの人材活用の可能性を広げて、事業成長を支援するという新しい取り組み。国家戦略ではないが、次のベンチャーに元気になって欲しい。これまでの人材サービスはベンチャーにはフィットしないところもあったので、その領域で新しいことができないか考えた結果」なのだそうだ。
このほかHR Support Teamでは、求職者と起業家を繋ぐネットワーキングイベントやCAVの支援先スタートアップに限定した組織・人材に関するクローズドな勉強会も開催する。なおインテリジェンスとしてはCAV以外でもVCと組んでスタートアップのHR支援を行う予定。GMO VenturePartnersとも共同でスタートアップのHR支援を行うことが決定している。