「約2240億円の評価額で約560億円調達」から7年、ARグラスのMagic Leapは変わらず「約2240億円の評価額で約560億円調達」

Magic Leap(マジック・リープ)は苦しい道のりを歩んできた。彼らの名誉のために言っておくと、投資家はまだ同社に資金を喜んで供給したいようだ。

拡張現実を扱うスタートアップである同社は米国時間10月11日、既存の投資家から20億ドル(約2240億円)のバリュエーションで5億ドル(約560億円)を調達したと発表した。2014年10月に20億ドルのバリュエーションで5億4200万ドル(約607億円)を調達したときと同じ条件だ。その間に幾多の出来事があった。

不思議なことに、Magic Leapは今回の資金調達に参加した投資家を特定する情報を公表しないと決めた。Crunchbaseによると、同社は現時点で35億ドル(約39億円)の資金を調達している。これまでに参加した投資家のほとんどは、あまり良い結果を得ていないことになる。

直近のバリュエーションは、同社が2019年に達成した67億ドル(約7500億円)から随分かけ離れているが、2020年清算寸前だったことを考えれば、もっと悪かった可能性もあった。Magic Leapは2020年、スタッフの大部分を解雇し、切り下がったバリュエーションの下で数億ドル(数百億円)の資金調達を余儀なくされた。また、創業者のRony Abovitz(ロニー・アボヴィッツ)氏に代わって、Microsoft(マイクロソフト)の副社長を努めたPeggy Johnson(ペギー・ジョンソン)氏がCEOに就任した。

同社は、法人顧客に力のすべてを注ぎ、状況を好転させようと試みてきた。軍との契約を巡りMicrosoftと競合し(失敗した)、法人顧客をめぐってMicrosoftと競合した(成功した)。その一方で、非常に高価なヘッドセットを使う高価なゲームを提供することで消費者の目に留まろうとしてきた。

今回の新ラウンドのニュースと同時に、同社の次のARグラス製品の新しいレンダリング画像がCNBCで公開された。デバイスはかなり小さくなったようだが、Magic Leapはその新しい機能についてあまり多くを語らなかったようだ。同社はプレスリリースで、Magic Leap 2と呼ばれる新しいハードウェアを来年中に展開することを明らかにした。

画像クレジット:Bram Van Oost/EyeEm / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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