シリコンバレーの投資家たちに、アプリHouzz(とんでもなく豪奢な家を見学しつつ、興味深いインテリアデザインのアイデアをチェックできるアプリ)について尋ねたなら、彼らは単に自分たちのビジネスを拡大しているだけさ、という答が返ってくるだろう。私たちがHouzzのビジネスについて聞くことはほとんどなかった。
そんなHouzzが、4億ドルにものぼる資金調達を発表した。このラウンドはIconiq Capitalが主導したもので、Sequoia、Zeev Ventures、そしてGGVも参加している。ブルームバーグによれば、新しい資金調達ラウンドでは、このスタートアップの評価額は40億ドルとされたということだ。これは消費者向けスタートアップとしても高額で、家庭装飾まわりの企業としては並ぶものがない。同社は米国外14カ国でローカライズ版を発売していて、Houzzマーケットプレイスには2万以上の売り手から900万点以上の製品が出荷されている。
Houzzはプロダクトサイドでもまだ機能拡張を続けている。同社は5月に基本ARモードを開始した。今後リリースされるiOS向けのARkitが入れば、こうした機能が今後数カ月の内にもっと進化し、より堅牢になるところを見ることになるだろう。これらの大型機能が、既に家庭関連のコンテンツを検索しているユーザーの手に渡れば、会社にとっては新たなきっかけを与えるものになるだろう。
私はHouzzの顧客ではないが、間違いなくこのアプリケーションは麻薬的喜びを与えてくれるものだと言うことができる。興味深いデザインやブロダクトの心地よくキュレートされた写真で、Houzzは利用者の未来の家のための、ニッチなPinterestの役割を果たす。ここでの違いは、Houzzがターゲットとして売ることができる商品の種類は、高価なものだということだ。すなわちHouzzを通じて実際に商品を購入する人びとは、FacebookやPinterestのような大きなプラットフォームで見られる典型的な顧客層よりも高価なものを購入するということだ。
それはHouzzがニッチを占めることを意味するが、間違いなく高価なニッチだ。これは、特定のユーザーセグメントがとても高価なビジネスになることを期待して、より大きなプラットフォームの一部を切り出し、それを本当にうまく使うことができた会社の1例だ。Houzzは、顧客たちが、たとえぼんやりと眺めているのか、あるいは実際に家の装飾アイテムを購入しようとしているのかに関わらず、こうした高額コンテンツに対するさまざまな需要に耳を傾けているように見える。
興味深い点は、Houzzが、Pinterestの存在がありながら、それほどまでに巨額の評価額を得ることができたということだ(なおPinterestの評価額は120億ドル以上で月刊アクティブユーザーは1億7500万人にも及ぶ)、そして消費者の購買サイクルにおける発見とインスピレーションパートを担おうとしている。Pinterestはその大きさによって、広告主たちを説得しやすいだろうが、Houzzの巨額の評価額は、極端に偏ったコンテンツ領域ではまだ顧客の注意を引くことが可能なことを示しているのかもしれない。
訂正:最初の投稿では、Houzzは昨年、米国外の6つの国の150市場に進出していると書いたが、その成長は同社の企業向けソリューションチャンネルのものだった。
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(翻訳:Sako)