「LINE MALL」の定額配送はユーザーの心理的ハードルを下げる

新品・中古に関わらず、あらゆる商品をスマートフォンで売買できるフリマアプリ「LINE MALL」が30日、離島を含む全国一律でサイズ別の定額料金で配送できる「LINE配送」を開始した。ファッション通販を手がけるフェリシモとの提携により実現した。例えば、3辺の長さの合計が60cm以下の送料は全国一律で650円。佐川急便やヤマト運輸で東京から北海道まで送った場合と比べて500円近く安くなるわけだが、本質はユーザーの心理的なハードルを下げるところにありそうだ。

LINE MALLは出品者が送料を全額負担するため、販売価格に送料を上乗せした金額で出品する仕組み。購入者としては、地域ごとに異なる宅配業者の料金表をチェックして送料を計算しなくて済むので便利だが、出品者からすると、配送先が遠くなるほど送料がかさみ、その分の収益が少なくなるわけだ。

一方、LINE配送は誰に売れても送料が変わらないので、あの見にくい配送料金表とにらめっこして値付けに悩む必要もなくなり、出品時の心理的なハードルが下がりそう。レターパックライトやクロネコメール便といった安価な配送方法も選べるので、商品のサイズに応じてLINE配送と、これまでどおり一般の配送サービスとを使い分けるのがよさそうだ。

心理的なハードルが下がるのは出品者だけではない。LINE配送を利用する出品者は取引成立後、日本郵便の「ゆうパック」で神戸市にあるフェリシモの物流センターあてに着払いで商品を送り、物流センター内で購入者の配送先情報を印刷した伝票に貼り替えて出荷する。物流センターを中継することで、出品者と購入者が個人情報をやりとりしない「匿名配送」が可能になるわけだ。購入者は出品者に直接住所を教える必要がなくなるので、今まで以上に安心して取り引きできるかもしれない。

LINE MALLは2013年12月にサービスを開始。現時点での月間流通総額は非公表だが、アプリのダウンロード数は約200万件。スマホ向けフリマアプリの競合としては、メルカリやFril(フリル)がある。メルカリは7月に400万ダウンロードを突破し、月間流通金額は「10億円を大幅に超える」ことを明らかにした。一方、女性に特化したフリルも7月、アプリのダウンロード数が150万件に達し、月間流通総額が5億円を上回ることを発表した。LINE MALLは年内にも企業による出品を開始し、事業拡大を図る狙い。LINEは今後、物流センターで他社のチラシを同封する広告ビジネスも視野に入れているという。


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TechCrunch Japan

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