【レビュー】DJIの最新アクションカメラ「Action 2」はすばらしいプロダクトだが、オーバーヒート問題は未解決

第2世代となったDJIの「GoProキラー」は、これ以上ないほどの出来栄えだ……スペックを見た限りでは。

この圧倒的に小さい「DJI Action 2(DJIアクション2)」は、コンパクトでありながら充実したスペックを誇り、コアカメラユニットの機能を拡張できる魅力的なモジュラーデザインを採用している。率直にいうと、Apple(アップル)が古い「GoPro Session(セッション)」カメラの再デザインを担当したらこんな感じになるのではないかといった印象だ。この製品には2種類のバリエーションが設定されている。コアカメラユニットと、それにマグネットで取り付けられて長時間の撮影が可能なバッテリーキューブが付属する税込4万9500円の「DJI Action 2 Powerコンボ」と、カメラユニットに取付可能なフロントタッチ画面モジュールがセットになった税込6万3800円の「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」だ。重量56グラムのAction 2コアカメラユニットは、4K/120fpsで撮影可能な最新の「GoPro Hero10 Black(ゴープロ・ヒーロー10ブラック)」に匹敵する性能を半分のサイズで実現する……少なくともそのように宣伝されている。

筆者はこのデバイスを数日間使用する機会を得たが、見出しが示すように、今回の試用では問題がないわけではなかった。要するに、このデバイスは非常に美しく、いくつかの明確な方法で革新をもたらしたものの、まだ発売に向けて準備が整っていないような状態だったのだ。

まず最初に、良い点を挙げよう。

ハードウェアは非常にすばらしく、モジュラーデザインは期待以上にうまく機能する。マグネットクリップやロック機構もしっかりしていて、全体的に密度の高い重厚感があり、これまで試したどのアクションカメラよりも高級感がある。映像画質は、この価格帯のアクションカメラとしては概ね期待どおりで、同梱されていたネックレスのようなマウントやマグネット式マクロレンズなどのアクセサリーも楽しめた。外付けのバッテリーユニットや画面モジュールに取り付けないと、中心のカメラユニットを充電できないといったクセはあるが、全体的に見てこのモジュール方式はうまくできている。

画像クレジット:DJI

このデザインは、主に携帯性とバッテリーライフのバランスを考えたものだ。Instagram(インスタグラム)に投稿するための短い動画を撮影するだけなら、追加モジュールは家に置いておくことができる。DJIはAction 2を、プロアスリートやインフルエンサーのような人向けのクロスオーバーアクションカメラとして販売することを目指しており、付属のマグネット式ストラップで胸に装着できるコンパクトなデザインになっている。

Action 2で4K動画を撮影した(というか、撮影しようとした)ところ、1回の充電で約30分の映像をコアカメラのみで撮影できることがわかった。これはソーシャルメディアに投稿するためのクリップとしては十分だが、一般的なアクションカメラとしては物足りない(DJIは最大70分の駆動時間を謳っている)。バッテリーモジュールや画面モジュールを取り付けて撮影すれば、より長時間の撮影が可能になる。

さて、次は悪い点だ。

理論上、120フレームの安定した4Kビデオをこの小さなパッケージで撮影できるというのは、信じられないほどすばらしいが、しかし残念ながら、この謳い文句は真実に対して良く言い過ぎだということがわかった。最高の画質設定で実際に撮影できた時間は5分に満たず、それを超えるとオーバーヒートのために自動的に録画を停止してしまうのだ。実際、どの設定にしても、最終的にオーバーヒートで停止することなく、4Kで撮影を続けることはできなかった。最も低い24fpsの設定でさえもだ(このモードでは15分弱の映像を撮影できた)。機能しないほど熱くなるというのは、DJIが胸部や頭部に装着できると宣伝している製品にとって厳しい問題だ。

DJIの広報担当者は、他のレビュアーでも同様のオーバーヒートによる問題があったことを確認しており、今のところは低い解像度で撮影することが唯一の解決策であると述べている。

画像クレジット:DJI

ハンズオンではこれ以上深く掘り下げることが難しい。なぜなら、どのフレームレートでも一貫して4K品質のビデオを撮影できるわけではないので、少なくとも発売当初は、誰かに購入をお奨めしにくい。Action 2の大きく世代を超えたデザイン変更の大胆さは評価できるが、GoProの段階的な連続したアップグレードにも敬意を持てるからだ。GoProにはAction 2のような華々しさはないものの、一貫して宣伝通りの機能を発揮することができる。

我々は概して、初代DJI Actionカメラの大ファンだった。2019年に発売された初代Actionは、GoProの強力なライバルになることを証明しただけでなく、非常に説得力のある数々の機能を披露し、その多くは歴代のGoProで採用されることになった。「しかし、今のところ、ここで見つけられる欠点はほとんどが小さなものだ。このことは、老舗企業の製品とはいえ、実質的に第一世代の製品としてはかなり注目に値する」と、同僚のBrian Heater(ブライアン・ヒーター)は当時書いていた。

DJIはファームウェアのアップデートでこれらの問題を解決するかもしれないが、現時点でこのデバイスは、明らかにレビュアーに送る準備ができていなかった。メーカーがいくつかの重要な修正を示すまで、私なら注文するのを控えたいと思う(DJI Action 2は10月27日より販売中)。

画像クレジット:DJI

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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