アイルランド出身のWiaは、そのクラウドサービスにより、センサーを装備したハードウェアデバイスを、完全なIoTデバイスとして運用できるようにしてくれる。同社はこのほど、Suir Valley Venturesがリードするシードラウンドにより、75万ユーロを調達した。このラウンドには、Enterprise Irelandも参加した。
2015年に創業したWiaは、ダム(dumb)デバイスをスマートデバイスに変えてIoTとして動かすために必要なクラウドインフラストラクチャの設営と、その日常のお世話のあれこれをすべて、デベロッパーに代わって引き受ける。同社の主張によると、どんなタイプのセンサー・デバイスでも、わずか数分で“安全でスマートで便利なアプリケーション”に換えて、大量の時間とコーディングを節約する。
WiaのファウンダーでCEOのConall Lavertyはこう説明する: “デベロッパーはハードウェアを作る。それは温度計かもしれないし、自転車用の計器かもしれない。自動運転車でもいいね。これらのデバイスの共通点は何だろう? センサーのデータを捉えて、これらのデバイスをスマートで便利な装置に換えることさ”。
“そのためには、プラットホームが必要だ。これまでのやり方では、たくさんのデベロッパーを部屋に閉じ込めて何十万行ものコードを書かせ、数か月後には何かが動き出す、と希望することだった。それは、門のところに誰かが来たら玄関の警告灯を点けて不審者の来訪を知らせる、たったそれだけのデバイスかもしれない”。
たったそれだけのデバイスでも、通信のインフラからデベロッパーが自作していると、たいへんな作業になる。彼は、そう言いたい。そこで、WiaのようなIoTのプラットホームを利用しなさい、と。すでにRelayrやEvrythngのような競合他社も現れている。
“面倒なことは全部われわれが引き受ける。わが社のエンタープライズクラスのプラットホームを利用すれば、通信にインターネットを利用するスマートデバイスをわずか数分で立ち上げられる。門から玄関までの通信インフラを自作するのはたいへんだが、うちを利用すれば通信インフラは完璧な状態ですでにある。どんなデバイスでも、容易に管理し、データを捕捉し、コントロールし、既存システムへの統合もできる。それをするために、コードは1行も書かなくてよい”、とLavertyは激しく売り込む。
決済を超簡易化したサービス、Stripeをご存知の方には、こんな言い方が良いかもしれない: Wiaは、“物のインターネットのStripe”になりたいのだ。
Lavertyによると、Wiaはささいな消費者製品から、世界中に何百万ものデバイスをデプロイするエンタープライズに至るまで、あらゆる種類およびサイズのIoTデベロッパーに対応できる。“うちは水平なプラットホームだから、業種業態を特定しない。ロジスティクスや農業にも、十分対応できる”。
デベロッパーがWiaをちょっと試してみるのは、無料だ。Wiaのクラウドサービス上でIoTの本格展開をしていく企業顧客は、料金が月額59ユーロからだ。料金は、デバイス数をベースとする従量制になる。数か月後にはこのプラットホームのオンプレミスバージョンもリリースする予定で、そちらは年額のライセンス料になる。