おや、TikTokにFacebookが現れた

Facebook(フェイスブック)はTikTok(ティックトック)で何をしているのだろう?競合の偵察?TikTokの人気スター、Charli(チャーリー・ダミリオ)にメッセージを送る?ベータテスターのリクルート?広告を買うの?きっと直にわかるだろう。FacebookはTikTokのアカウントを作成し、動画をまだ1本も投稿していないのに本記事英語版執筆時点ですでに1万5100人(日本語版翻訳時点では1万8600人)のフォロワーを集めているのだから。このアカウントはTikTokが認証済みで、Facebookもこれが本物であることを認めている。

ソーシャルメディアコンサルタントのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏が数日前にFacebookのTikTok(妙な言い方ですが)を発見した。

このアカウントは認証済みであることを示す青いチェックマークをすでに獲得している。しかしコンテンツはなく、プロフィールも「We believe people can do more together, than alone.(一緒ならもっと多くのことができると信じています、1人よりも。)」とコンマも含めてなんだか不思議な感じで、これが本当にFacebookのアカウントなのかどうかと疑ってしまう。しかも、このアカウントのプロフィールに書かれているリンク先はFacebookのアプリだ。Facebookのウェブサイトでも、何らかの公式なコミュニケーションチャネルでもない。

それに、FacebookはMetaになったはずでは?

どういうことかというと、FacebookはすでにTwitter.com/Facebookを非公開にしている。Instagram.com/Facebookは存在せず、Instagram.com/Metaとなっている。

しかしFacebook、ではなくてMetaは、TechCrunchに対しTikTokのアカウントは本物であると述べた。

Metaの広報は「ブランドは、当社のソーシャルメディアプラットフォームも含め、さまざまなチャネルを活用して日々自社の製品やサービスを利用する人々に対しリーチし、エンゲージします。ブランドのプレゼンスを確立しTikTokなどのプラットフォーム上でコミュニティを育てようとする当社の意図も同じです」と述べた。

画像クレジット:FacebookのTikTok

最近、Facebookは直前の四半期でアクティブユーザー数が横ばいとなり、さらに注目すべきことに1日のアクティブユーザーが初の減少と転じたと報じられた。このことから、FacebookはTikTok(とその広告プラットフォーム)を活用してZ世代のユーザーベースを強化したいと考えている可能性はある。

大手ブランドがマーケティングやコミュニケーションにさまざまなチャネルを使うのは確かにその通りだが、Facebookが最近TikTokについて重大な競争上の脅威であるとしばしば言及していることを考えれば、FacebookがTikTokに現れたのはちょっと奇妙だ。

Metaの2021年第4四半期決算発表でCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は投資家に対し、こうした点を繰り返し語った。

同氏は「人々が時間を使う選択肢はたくさんあり、TikTokなどのアプリは急速に成長しています」と述べた。そして「TikTokはすでに巨大な競合であり、極めて大きな基盤からさらに急速な成長を続けています」とも述べた。

MetaはTikTokでの計画に対し、どのようなコンテンツを準備しているのか、このアカウントに広告を掲載するのかどうかなど、詳しい情報を明らかにしなかった(でも何か見かけたら筆者にメッセージをください!)。

TikTok上にあるMetaのブランドはFacebookだけではない。Instagram(インスタグラム)が広告を掲載し、Instagram Creatorsも最近アカウントを開設したようだ。

当面、私たちの気持ちとしてはこんな感じ……。

@angiebhandal

#howdoyoudofellowkids #30rock #stevebusemi #meme

♬ original sound – Angie B

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

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