ごちゃごちゃしがちなスマートホーム機器を統合・連携、ユーザーにプライバシーのベールをもたらすHomey

ほぼすべてのスマートホームデバイスに接続することができて、さまざまなスマートルールを設定でき、多くのセキュリティ機能を追加することできると聞けば、おそらくHomey(ホーミー)が何を提供しようとしているのか、あなたはきっとある程度想像することができるだろう。Homeyは、スマートホームプロバイダーにデータを転送する代わりに、広告主にデータを盗まれないよう安全にデータを管理してくれることを約束している。

Homeyは、2014年からヨーロッパで事業を展開しており、米国時間1月5日のCESで米国での事業展開を発表した。この会社が解決する重要な問題は、多くのスマートホームソリューションが非常に継ぎ接ぎな状態で繋がっており、その過程で、それらが悪意のある目的にも使用できる巨大なデータコレクターになってしまっているということだ。これまで顧客は、それがスマートホームを持つためのコストであると受け入れさせられてきたが、ここに別の方法があると同社は考えている。同社は、顧客データを盗聴したり販売したりすることはなく、個人情報を使ってユーザープロファイルやターゲット広告を作成することもないと主張している。

スマートホームプロバイダー同士の目隠しに加えて、同社のスマートホームハブ「Homey Pro」は、楽しい新機能をいくつか携えてきている。IFTTT(If This Then That )で遊んだことがある人なら、きっと賢い自動化を思いついたことがあるはずだ。誰かがドアベルを鳴らすと電気をつける、夜10時以降はスピーカーの音量を下げる、などだ。Homeyのアプリは、このような機能をアプリのコアアーキテクチャに大量に組み込んでいる。同社はこうした自動化を「フロー」と呼び「カーテンを閉めたら寝室の照明を常に暗くする」「玄関の鍵をかけたらサーモスタットを自動的に下げ、照明を落とし、アラームを有効にする」など、さまざまな例を挙げている。

もちろん、フローはGoogle、Alexa、Siriショートカットなどの音声アシスタントを使って起動することも可能だ。また、モバイルやApple Watch用のウィジェットも提供されている。

音声コントロールやフローなど、あって当たり前の機能に加え、アプリはエネルギー使用をリアルタイムで分析するツールを提供し、さらなる節電方法を提案してくれる。例えば、洗濯機の「温水」サイクルと「冷水」サイクルのエネルギー消費を比較したり、最もエネルギー効率の良い(そして最も悪い)部屋がどれかを教えてくれたりする。

Homeyは、そのスマートハブが1000以上のブランドの5万以上のスマートホームデバイスと接続ができ、iOS、Android、ウェブアプリで全体のコントロールや設定を行うことができると謳っている。ハブは、Zigbee、Z-Wave Plus、Wi-Fi、Bluetooth、433MHz無線に加え、家中にコマンドを送信するための赤外線通信LEDを備えており、豊富な接続性を兼ね備えている。

Homeyアプリは、69ドル(約7980円)のHomey Bridgeを介して、またはHomeyハードウェアを必要としないアプリのみのソリューションとして、スマートホーム機器のコントロールに使用することができる。無料版のHomeyアプリでは最大5台のデバイスをコントロールできるが、プレミアム版では家庭全体で無制限にスマートデバイスを接続することができる。プレミアム版のアプリは、月額2.99ドル(約340円)で利用できる。

「家庭にはそれぞれ個性があり、一律に対応できるものではありません。今日のスマートホームシステムのほとんどは、単一のブランド、技術、またはユースケースが中心となっています。例えば、Philips Hueは照明には最適ですが、ただそれだけです」とHomeyのメーカーであるAthom(アトム)の共同創業者兼クリエイティブディレクターのEmile Nijssen(エミール・ナイセン)氏は語る。「その結果、スマートホームはあらゆる種類のアプリですぐに複雑になり、ごちゃごちゃしてしまいます。私たちがHomeyで目指しているのは、現状を変え、すべてのスマートデバイスを統一し、同時に消費者のプライバシーを確保する、オープンで手頃な価格のユーザーフレンドリーなシステムを作ることです」。

画像クレジット:Homey

原文

(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。