2016年の選挙に対するロシアの妨害説をめぐるThe New York Timesの長い記事に書かれている、多くのひどい失態の中で、とりわけ目立つものがひとつある…それがとくに印象的なのは、ごく些細で平凡なものと、それがもたらした結果の重大さの対比だ。Hillary Clintonの選挙参謀John Podestaのメールのハックは、彼にリスクを警告しようとする一通のメールにあった、たった一つの誤字だったかもしれないのだ。
どういうことか? Clintonの選挙戦スタッフの一人がTimesに、彼は、あるフィッシングメールにについて書くときに、形容詞“illegitimate”(違法な)を間違って“legitimate”(合法な)と書いてしまった。そしてその“合法な”メールがクリックされると、次の瞬間、ハッカーがドアの中にいた。
それは小さなミスから起きた悲喜劇的なエラーだが、もしそれが真実なら、サイバーセキュリティにおける最小の失態、ひとつの誤字やひとつのクリックが、一人の人間の全キャリアや、ニュースのサイクル、そしてときには選挙の結果さえ、ぶっ壊してしまうのだ。
そのThe NYTの記事は長いが、読む価値はある。読み終えたあと、どっと疲れて、世間嫌いになるかもしれないけどね。