Windows Centralが入手した内部文書が、Windows 10 Cloudのハードウェアの性能を特記している(下図)。噂されていたこの、派生製品的なオペレーティングシステムは、予想では来月ニューヨークで行われる大きな教育関連イベントで披露される。たぶん、そのときのプレゼンでも、このOSをGoogleのChromebookと対比するだろう。
Microsoftのこの種の製品への進出は当然の動きで、同社は、Googleのクラウド製品に完全に支配されているK-12の教育分野に足場を築くべく、苦戦しているからだ。
2000年代にネットブックの短期的なブームがあったときは、長年望まれていた教師と児童生徒の一対一の関係を築くとして、Microsoftにも追い風が吹いたと思われたが、しかしすぐに、タブレットに主役を奪われた。しかしながらさらに最近では、Chromebookがこの種の話題を完全に支配し、学校や校区の購買の決定権を握るIT担当者たちは、コントロールが容易で値段の安いハードウェア〔Chromebook〕に飛びついた。
Microsoftの最近の教育関連の動きには、Surfaceがからんでいる。高値を厭わない私立校などでは依然としてiPadが強いようだが、今度のイベントでMicrosoftは、Surface PhoneやSurface Proを新たに発表して、Surfaceラインの多様化を目指すという噂もある。しかし本誌が情報筋から得た話は、やや違う。
むしろMicrosoftが匂わせているのは、教育用の低価格製品への回帰だ。1月に同社は、Intune for Education〔日本語〕を立ち上げた。これは、学校をねらった189ドルのWindows 10機をクラウドから管理できる、というサービスだ。5月2日に行われるイベントではほぼ確実に、ハードウェアの性能と管理体系の両方について、Chromebookとのガチンコ対決が行われるだろう。
最近のMicrosoftは教育方面で運に恵まれていないが、でもWord, Excelなどの人気はまだ衰えていないから、同社の再参入を望む声も教育界にはあるはずだ。Googleはクラウド上のプロダクト集合G Suiteで大きく躍進しているが、プロフェッショナルたちのあいだではOfficeのイメージがまだ強い。Windowsというほとんど遍在的なエコシステムがそこに加わるとなれば、この市場の将来も簡単には予言できない。
ただしもちろん、Microsoftが教育の世界に食い込むためには、単純にChromebookのWindowsバージョンを出すこと以上の、もっと大きくて多様な努力が必要だ。