アジアの伝統的な食材を家庭に届けるUmamicartが約6.8億円調達

人々は好きな食べ物が並ぶ食卓に集まる、しかし、Umamicart(ウマミカート)の創業者兼CEOであるAndrea Xu(アンドレア・シュー)氏にとって、家族と一緒に食べて育った料理を作るための食材を見つけるのはいつも簡単ではなかった。

シュー氏の両親は中国人だが、スペインに移住し、自分たちの中華料理店を開いた。彼女は、スーパーに、アジア料理でよく使われるソースや薄切りの肉、野菜などが置いていなかったことを思い出す。大学進学のために渡米したときも、スーパーのアジア料理専用の通路に何がないか、友人たちと話していたそうだ。

Umamicartの創業者兼CEOのアンドレア・シュー氏(画像クレジット:Umamicart)

「食べ物はアイデンティティを再確認する手段ですが、私の家庭に普及している食べ物にアクセスすることは困難でした」彼女はTechCrunchに語った。「米国には2900万人のアジア系米国ホトがいますが、商品にアクセスするにはまだハードルがあります」。

最近は何でもデリバリーできるようになったので、シュー氏はアジアの食材でそれを試してみることにした。3月に、元FJ Labs(FJラボ)のWill Nichols(ウィル・ニコルズ)氏と共同で、アジアの伝統的な商品と独創的な商品を厳選して提供する、アジアのオンライン食料品・宅配サービスUmamicartを立ち上げた。

Umamicartは、家庭で料理をする人のためのあらゆる商品を取り扱うショップを目指しており、定番商品やパントリーの必需品、レシピのインスピレーション、休日のローストダックやDIYの寿司ナイト、火鍋や餃子作りなどの調理活動のための特別なキットを提供している。

注文は同社のウェブサイト(そして近日中にモバイルアプリ)ですることができ、ニューヨーク市のカスタマーには即日配達、ニューヨーク市以外のニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、マサチューセッツ、ペンシルバニア、デラウェア、バージニア、メリーランド、マサチューセッツ、ワシントンD.C.の郵便番号には翌日配達を行っている。

米国時間12月3日、同社は、M13とFJ Labsが共同で主導し、Picus Capital(ピカス・キャピタル)、Starting Line(スターティング・ライン)、Golden Ventures(ゴールデン・ヴェンチャーズ)、First Minute Capital(ファースト・ミニット・キャピタル)、Goldhouse Ventures(ゴールドハウス・ベンチャーズ)が参加したラウンドで、600万ドル(約6億7600万円)のシード資金を調達したことを発表した。これにより、100万ドル(約1億1200万円)のシードラウンドを含め、同社の資金調達総額は700万ドル(約7億8900万円)となった。

M13の投資家であるBrent Murri(ブレント・ミューリ)氏は、FJ Labsからシュー氏を紹介され、Umamicartは、食品のデジタル化を視野に入れた、彼の会社が通常投資している消費者向けテクノロジーの種類と一致していると述べた。M13は、これまでにThrive Market(スライブ・マーケット)やShef(シェフ)などの類似企業に投資してきた。

「シュー氏とニコルズ氏の共同創業者という組み合わせは、私が2021年に見た中で最も市場にフィットしている」ミューリ氏は言った。「シュー氏は両親から学び、食品流通業者との多くの関係を維持しており、ニコルズ氏はInstacart(インスタカート)のニューヨーク市場を率いていたため、彼は食料品ビジネスの規模を拡大する方法を知っています。これらの要素が彼らを際立たせています」。

同氏は、食料品の専門家が、2022年には米国の人口の半分が少なくとも1回はデジタルで食料品を購入すると予想していることを指摘した。しかし、食料品店のデジタル化はすべての人に平等ではなく、アジア市場は大部分がオフラインであり、Umamicartのような企業が厳選された食品を優れた顧客体験とともに提供する場を提供していることを挙げている。

今回の資金調達により、同社は配送範囲の拡大、チームの成長、商品カタログの追加、カスタマカーからの需要が多くなっているサービスエリアの拡大が可能になる。シュー氏は、東南アジアの料理をより多様に提供し、ユーザーが利用できるレシピの数を増やしたいと考えている。

「アジア料理を食べて育ったわけではないが、アジア料理を楽しんだり、料理をしたりするようになった人たちからも大きな関心が寄せられています」と彼女は付け加えた。

ResearchAndMarkets.comのレポートによると、世界のフードデリバリー市場は、昨年は約1110億ドル(約12兆5100億円)と推定され、2023年には1540億ドル(約17兆3600億円)になると予測されている。エスニック料理を作って食べることへの関心は、全体的に高まり続けている。米国のエスニック食品の小売売上高は、2013年の110億ドル(約1兆2400億円)から2018年には125億ドル(約1兆4000億円)となり、米国の中華料理店での年間消費額は、2020年には150億ドル(約1兆6900億円)強になると推定されている。

Umamicart自体は、3月のローンチ以来、前四半期比で313%のウェブトラフィックの伸びを示し、前月比で20%から30%の成長を遂げており、現在では3000以上の商品を取り扱っている。

今回のパンデミックで、アジア料理を作る際には新鮮なプロダクトが好まれるが、それらが手に入らないと料理に支障をきたし、人々は代替品を探そうとするという重要な洞察が得られたとシュー氏は述べた。

「また、コンシューマーは、インターナショナルやエスニックの通路にあるものを拒否し、より良い製品やブランドを求めています」と彼女は付け加えた。「私たちはそのことを大切にしています。ですから、彼らがUmamicartに来たとき、私たちが棚に並べるものは吟味された製品であり、試行錯誤された定番商品や、私たちが探し出すことができた最高の新しいブランドであることを知っているのです」。

画像クレジット:Umamicart

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(文:Christine Hall、翻訳:Yuta Kaminishi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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