Apple(アップル)は、世界第2位のスマートフォン市場での生産能力を増強するため、インドでiPhone 12の生産を始めている。同社の契約製造パートナーであるFoxconnはiPhone 12シリーズを生産するが、現在のところインドでProとPro MaxとMiniは組み立てていない。
今回の動きは、インドが世界のスマートフォンメーカーにとって大きな生産拠点として勃興してきていることを浮き彫りにしている。Samsung、Xiaomi、Oppo、Vivo、OnePlusは、インドでスマートフォンのモデルを5年以上にわたって生産しており、ここ数年で生産能力を増強している。
世界的な大企業を誘致するため、インド政府は同国内で生産する企業に税制上の優遇措置を提供しており、ここ数四半期で特典が大きくなっている。
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「私たちは楽観的であり、バリューチェーン全体に強力なエコシステムを構築し、グローバルなバリューチェーンと統合して、国内のエレクトロニクス製造エコシステムを強化することを楽しみにしている」とインドのIT大臣であるRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)氏は2020年に述べている。
Appleは2017年、iPhone SEを皮切りに、インドで一部のiPhoneモデルの現地組み立てを開始したが、最初の数年間、同社の契約パートナーはインドで古いiPhoneのみを現地生産していた。
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アナリストの推計によると、2020年にインドでオンラインストアを立ち上げ、2021年に同国初の直営店を開く準備を進めているAppleは、中国への依存を減らすため、iPhone生産の7%から10%をインドに移す計画だという。ただしその数字は、大胆すぎるものと理解している。
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Appleは2020年末、インドのバンガロール近郊にある同社の主要な製造パートナーの1つWistronの施設での暴力的な抗議活動後、インドで挫折を経験した。しかし、問題は解決したようだ。同社は2021年2月に従業員を再雇用し、まもなく工場での生産を再開すると発表している。
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「Appleは、顧客に喜んでいただくために、世界最高の製品とサービスを作ることに尽力しています。インドで現地の顧客向けにiPhone 12の生産を開始できることを誇りに思います」とインドのApple広報担当者は声明で述べている。
Appleはインドのスマートフォン市場のわずか2パーセ円とを想定しているが、ここ数四半期で成長している。調査会社のCounterpointとCyberMedia Researchによると、同社はインドで2020年12月に終了した四半期に150万台以上のiPhoneを出荷し、前年同期比100%増となり、世界最大のスマートフォン市場でこれまでで最高の四半期となった。
Convergence CatalystのチーフアナリストであるJayanth Kolla(ジャヤンス・コラ)氏によると、インドで製品やサービスを低価格で提供しているいくつかの外国企業とは異なり、Appleは大金を支払う余裕のある人口のごく一部にのみ焦点を当ててきたという。数年かかったが、Appleは成長している市場の一部を切り開いたと同氏は述べている。
カテゴリー:ハードウェア
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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)