Apple(アップル)が、ドイツにおける企業支出を増やす計画を発表した。特に、ドイツのミュンヘンに新たな施設を設立する計画が大きなものだ。European Silicon Design Center(欧州シリコンデザインセンター)いう名称のこの施設で、Appleは5Gならびに未来のワイヤレス技術に焦点を当てる予定だ。
同社によれば、ミュンヘンはすでに欧州最大のエンジニアリング拠点となっており、すでに1500人のエンジニアが働いているという。特に、Appleは独自のエンジニアチームを編成して、電源管理チップの開発に取り組んでいる。
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全体的に見れば、電源管理に取り組むAppleのエンジニアの半数はドイツ国内にいるのだ。そして、ドイツ国内のAppleのチームは、電源管理だけでなく他のチップ設計にも取り組むように拡大してきた。
現在、Appleは今後3年間で10億ユーロ(約1300億円)を新社屋や新しい研究開発に投資する計画だ。AppleはiPhone 12のラインナップに5Gモデムを搭載するためにQualcomm(クアルコム)と提携しているが、AppleはまたIntel(インテル)のスマートフォンモデム事業の大半を買収している。
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Appleのチームは社内でのチップ開発に加えて、iPhone、iPad、Apple Watchなどのデバイスに、サードパーティー製のハードウェアを統合する作業も行っている。
また、Appleはこの発表を利用して、全体としてドイツ国内に多額の資金を投入していることも宣伝している。AppleはDELO(デロ)、Infineon(インフィニオン)、Varta(ファルタ)などの、ドイツの多くの部品メーカーと提携している。全体として、Appleは過去5年間で、ドイツ企業700社に対して150億ユーロ(約1兆9400億円)の支払いを行っている。
以下はミュンヘンのカールシュトラーセに建築される新しいビルの完成予想図だ。オープン予定は2022年後半となっている。
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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)