Apple(アップル)はiCloud+という名称のサービスでiCloudをアップデートする。同社のデベロッパー会議WWDCで発表した。既存の有料iCloudユーザーは同じサブスク価格でiCloud+を利用できる。
AppleはSafariでPrivate Relayという新しいプライバシー機能を導入する。同社がCloudflareと開発してきた新しいDNS機能とやや似ている。元々はOblivious DNS-over-HTTPSという名称で、DNS-over-HTTPとプロキシサーバーの組み合わせだが、かなりシンプルという点でPrivate Relayはずっといい名称かもしれない。
Private Relayがオンになると、あなたのブラウジング履歴を誰も追跡できない。あなたのデバイスと、情報をリクエストするサーバーの間に介在するインターネットサービスプロバイダーも追跡できない。実際、どのように機能するか詳細についてはもうしばらく待たなければならない。
iCloud+の2つめの機能は「Hide my email」だ。ニュースレター購読を申し込むとき、あるいはウェブサイトでアカウントを開くとき、ランダムな電子メールアドレスを作成できる。もしあなたがこれまでに「Sign in with Apple」を使ったことがあるなら、フェイクのiCloud電子メールアドレスを使うオプションをAppleが提供していることを知っているだろう。これも同様に機能するが、どのアプリでも使える。
最後に、AppleはHomeKit Secure Videoを改良する。iCloud+の導入で、無料の iCloudユーザーと有料のiCloudユーザーを分ける。基本的にユーザーはこれまでストレージのためにお金を払っていたが、今後はストレージとさらに多くの機能が利用できるようになる。サブスクリプションは50GB(とiCloud+機能)月0.99ドル(約108円)からだ。
一般的なものでは、Appleは待望の2つの機能をiCloudアカウントに追加する。まず、アカウントリカバリーでの友達の追加だ。これにより、あなたのデータへのアクセスを友達にリクエストできるようになる。しかしそれはiCloudにあるあなたのデータに友達がアクセスできることを意味するのではない。あなたのアカウントをリカバーするための方法にすぎない。
そして切望されていたアップデートはレガシー機能だ。1つあるいはいくつかのレガシーコンタクト(データを相続する人の連絡先)を間もなく加えることができるようになる。そうすることであなたが死んだとき、データは引き継がれる。身近な人が亡くなると多くの写真ライブラリーがアクセスできなくなるため、これはかなり待ち望まれていた機能だ。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Apple、WWDC 2021、WWDC、プライバシー、iCloud、iCloud+、Safari、サブスクリプション
画像クレジット:Apple
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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi)