アップルやサムスンが低価格モデルを模索する中、モトローラはプレミアム路線に足を踏み入れる

ここ数年、スマートフォンの売り上げは頭打ちとなり伸び悩む中、多くのメーカーが同じ結論に達した。それは「みんな安いスマホを欲しがってる」というものだ。Apple(アップル)やSamsung(サムスン)もそのメッセージをまともに受け取った。スマートフォン市場の低迷と1000ドル級のプレミアムな機種の定番化とが同期を見せている点が理由であることは明らかだ。

Motorola(モトローラ)は、近年、お買い得なスマートフォンのメーカーとして定着しているが、まったく別の方向に打開策を見いだそうとしている。同社初の1000ドル級スマートフォンとなるEdge+(エッジプラス)の投入によって、同社は本物の高級機種の領域へ足を踏み入れた。これは、OnePlusシリーズに899ドルの8 Proを加えた先日の作戦よりもドラスティックな一手だ。

安価な中間層向け製品をメインに据えるモトローラには、どうしても高級スマートフォンのイメージが浮かばない。Lenovo(レノボ)傘下のこのスマホメーカーが高額なモデルに手を出すときは、ギミックに走る傾向があった。言い換えれば、非常にニッチな製品だ。たとえば、暖かく迎え入れられたMoto Zや、折り畳み式で復活して酷評されたRazrのようにだ。

だがEdge+の場合は、素直な高級路線を歩んでいる。セールスポイントはカメラ、ディスプレイ、5G。今どきの高級スマートフォンの世界では、まったくもって標準的だ。記憶している限りでは初めてモトローラは、世界中で使われているアップルやサムスンの製品と真っ向勝負に出たわけだ。

ではスペックを見てみよう。リフレッシュレート90Hz、縦横比21:9の6.7インチディスプレイが採用されている。左右は縁を巻き込んでいる。サムスンが少し前から採用している形に近い。さらにサムスンと同じく、そのごく狭い表示スペースを、通知、電話の着信通知、アラーム、バッテリーの状態などの情報の表示に使っている。基本的に、本体を手に取らなくても素早く情報が確認できる仕組みだ。

内部には、旗艦レベルのSoCであるSnapdragon 865が搭載され、たっぷり12GBのメモリー容量がある。そうそう、5Gにも対応している。mmWaveにもsub-6GHzにもつながる。モトローラはスピーカーにもこだわった。スピーカーは、スマートフォンではもっとも見落とされがちな部分だ。だが私はまだ実際に試していないし実際に触ってもいない。社会的距離とかあれこれの影響だ。

背面のカメラは3つ。メインは1億800万画素のカメラ。大量の光を採り込むことができる。それに800万画素の望遠と、1600万画素の超広角だ。最近のモトローラのモデルにはあったのだが、これにはマクロは付属していない。だが、1600万画素のカメラは、ある程度の接写ができる。

Edge+の発売は5月14日から。米国内ではVerison(ベライゾン)が独占販売する(以前にも、残念なことに、何度かモトローラはその形で製品を発売している)。カナダでは多くのキャリアから発売される。ヨーロッパでも5月に発売されるが、インドや中南米などの他の地域はその後になる。

プロセッサーとカメラのランクを落として価格を抑えたEdgeも登場する。だがディスプレイは変わらない。ヨーロッパ、中南米、アジア太平洋地区、米国で少し遅れて発売される予定だ。

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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