アプリケーションネットワーク企業F5がマルチクラウド管理スタートアップVolterraを519億円で買収

アプリケーションネットワーク企業のF5は米国時間1月7日、マルチクラウド管理スタートアップのVolterra(ボルテラ)を5億ドル(約519億3000万円)で買収すると発表した。その内訳は、現金で4億4000万ドル(約457億円)、未確定のインセンティブ支払で6000万ドル(約62億3000万円)となっている。

Volterraは、2019年にKhosla VenturesやMayfield、そしてM12(マイクロソフトのベンチャー部門)やSamsung Venturesなどの戦略的投資家らから5000万ドル(約52億円)の投資(未訳記事)を受けて登場した。その資金調達時に同社は私に対して以下のような説明を行っていた。

Volterraは、複数のパブリッククラウドやエッジサイトにまたがって展開できる一貫したクラウドネイティブ環境、つまり分散型クラウドプラットフォームの革新を行ってきました。このSaaSベースの提供方式を使い、Volterraは多くの拠点に置かれた製品や、ネットワークやクラウドプロバイダーにまたがって通常はサイロ化されていた幅広いサービスを統合しています。

このソリューションは、セキュリティ、運用、管理の各コンポーネントに対して、単一のビューを与えることができるようにデザインされている。

F5の社長でCEOのFrançois Locoh-Donou(フランソワ・ロコ-ダニュー)氏は、Volterraのエッジソリューションが同社の製品ライン全体を統合できると考えている。彼は声明の中で「私たちは、企業のお客様が直面する複雑なマルチクラウドの現実を解決するEdge 2.0プラットフォームでVolterraを使い、私たちのAdaptive Applications(アダプティブ・アプリケーション)構想を推進致します。当社のプラットフォームは、お客様が最も苦労なさっている部分を解決するSaaSソリューションを提供致します」と述べている。

Volterraの創業者でありCEOのAnkur Singla(アンクルシングラ)氏は、今回の取引を発表した同社のブログ記事に、パンデミックの影響で企業が急速にクラウドにシフトしていた2020年には、このソリューションへのニーズが増える一方だったと書いている。「私たちがVolterraを立ち上げたとき、マルチクラウドやエッジはまだバズワードであり、ベンチャーファンドはまだ具体的なユースケースを探している最中でした。それから3年が経ち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が劇的に風景を変えました。それは、物理的体験のデジタル化を加速させ、私たちの日々の活動をさらにオンラインへと移行させました。これは、グローバルなインターネットトラフィックの大規模な増加を引き起こしている一方で、増加し続ける常用アプリのセキュリティと可用性に影響を与える、新たな攻撃手段を生み出しています」と同氏は書く。

彼はVolterraの能力は、F5シリーズの製品とうまく調和して、これらの問題を解決することに役立つと考えている。2020年のF5は、M&Aという点では目立った動きが無かったが、今回の買収は2019年に行われた、1Shape Security(シェイプ・セキュリティ)の10億ドル(約1039億円)NGINXの6億7000万ドル(約696億円)(未訳記事)といった大型買収に続くものである。

今回の取引は両社の取締役会で承認されており、規制当局の承認を待ち3月末までに完了する見込みだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:F5Volterra買収クラウドコンピューティング

画像クレジット:F5

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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