アマゾンが毎月アナログレコードの名盤が届く新サブスク「Vinyl of the Month Club」を米国で開始

アマゾンが毎月アナログレコードの名盤が届く新サブスク「Vinyl of the Month Club」を米国で開始

vovashevchuk via Getty Images

米Amazonが、新しいサブスクリプションサービスを静かに開始しています。この「Vinyl of the Month Club」サービスは、月額25ドルで毎月1枚、60~70年代のおすすめ名盤をユーザーのもとに届けてくれるという、どことなくデア〇スティーニ的なサービス。

俗にビニール盤とも呼ばれるアナログレコードは近年静かに復活を続けており、最近レコードプレーヤーを手に入れた人は、一枚また一枚とアナログ盤を入手してはその音やアートワークを愛でたい衝動に駆られていることでしょう。

そしてアナログ盤を楽しむのなら、それが全盛だった時代の音楽こそが最適。とはいえ当時をリアルタイムで知らない若い世代の人たちにとっては、数ある名盤からどれを選ぶべきかで悩んでしまうかもしれません。

音楽好きなら、どれを買うかを決定するプロセスも楽しみのひとつではあるものの、趣味も多様化している現代、専門家がセレクトした作品を毎月ひとつずつ楽しむという受身な聴き方もまた、限りある時間を効率的に使うという意味では良いのかもしれません。

Amazonの紹介ページには、マイルス・デイビス、レッド・ツェッペリン、フリートウッド・マック、アレサ・フランクリン、ピンク・フロイドというジャズ、ハードロック、ブルーズロック、R&B、プログレッシブロックという、60~70年代当時の英米ポピュラーシーンを代表するアーティスト、グループの顔が並んでいます。

アマゾンが毎月アナログレコードの名盤が届く新サブスク「Vinyl of the Month Club」を米国で開始

Amazon

もちろんこれら以外のアーティストの作品も届きます。たとえばこれまでには、ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』があれば、パンクバンド ザ・クラッシュ の『ロンドン・コーリング』もありました。これらのアナログ盤は米Amazonでは47ドルおよび32.56ドルなので、月額費用と照らし合わせて考えれば、このサブスクはお得なアナログ盤入手方法と言えそうです。もちろん、届いた作品にまったく興味がわかなければ、ユーザーは(それが未開封のままなら)返品することができます。今日日、音楽を聴くだけならYouTubeでも各種ストリーミングサービスでも可能なため、もしも返品する可能性があるなら開封する前に中身の楽曲が好みかは確認しておくと良いでしょう。

このサブスクは1か月単位の契約になるため、数か月試しても気に入った作品に出会えずつまらなかったりすれば、すぐに契約をキャンセルできます。なお、残念ながらこのサービスは記事執筆時点では米国のみで提供されており、われわれの住む日本では利用できません。

米国では昨年、アナログレコードの販売が29%増え、その売上げは全体で6億2600万ドルに達しました。CDの売上げはストリーミングサービスの普及と共に減少を続けていますが、アナログレコードの伸びのおかげで物理メディア合計での収益は0.5%の減少にとどまっています。

ちなみに、アナログレコードが毎月届くサブスクリプションサービスはAmazonが最初ではありません。”Vinyl Me, Please“なるサービスはキュレーターのセレクトによるアナログレコードを2013年から毎月、世界40か国の会員に送りつづけており、その会員数は3万人にのぼっています。こちらは日本からでも利用することができます。

(Source:Amazon。Via Rolling StoneEngadget日本版より転載)

関連記事
アマゾンがAppleに対抗して無料でロスレス音楽配信サービスにアップグレード、まずは北米などから
音楽ストリーミングが2020年の米レコード業界収益の83%を占める、CDは衰退しアナログ盤好調
5インチの原盤に自分で音を刻める小さなレコード製造機
在庫リスクなしでレコードもデジタル音源も販売できる「Qrates」がアーティストのビジネスを変える

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アナログレコード(用語)Amazon / アマゾン(企業)音楽 / 音楽制作(用語)サブスクリプション(用語)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。