ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)の3月1日(米国時間)の報道によると、アマゾンはホールフーズ・マーケットとは別の食料品スーパーのチェーンを全米で展開する準備を進めている。最初の店舗はロサンゼルスに早ければ2019年末にも開店する見込みで、これとは別にさらに2店舗のリースも契約済みで来年にもオープンする、と報道している。
このスーパーチェーンはホールフーズ・マーケットとは別に運営される見込みだが、どのようなブランド展開になるのか、Amazonの名を冠するかどうかすらも不明だ。長期的プランには米国の主要都市で“数ダース”ほどを開店させることが含まれていて、このゴールに向かって買収戦略も検討することもありそうだ。買収戦略では12店舗を運営する地域の食料品チェーンを対象とするかもしれない、とWSJは指摘している。また、Kmart撤退後の小売スペースを狙う可能性もある。
将来出店が考えられるのは、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、ワシントンD.C.、フィラデルフィアだ。
こうした店舗で展開される商品は低価格なものを含め、ホールフーズ・マーケットとは異なるプロダクトになりそうだ。グローサリーや健康・美容プロダクトを扱い、商品ピックアップのための駐車スペースも用意されるかもしれない。
典型的なスーパーは6万フィートほどの広さだが、それよりも狭い3万5000フィートとなりそうだ、とWSJは書いている。
アマゾンの食料品デリバリー事業が激しい競争にさらされている最中にこのニュースは飛び込んできた。ライバルのウォルマートは実店舗に資金を注入していて、テストに数年もかけている。今ではウォルマートの食料品ピックアップサービスは2100カ所超で展開され、配達は800カ所近くで実施している。そして2020年末までにピックアップサービスは3100カ所、配達は1600カ所で展開される見込みだ。オンライン食料品事業は成長分野で、これは部分的に第四四半期の売上増に貢献している。
一方、ターゲットは食料品同日配達のサービスShiptを5億5000万ドルかけて2017年に開始した。そして買い物客のニーズに合わせて、自前のドライブアップ(車に乗ったままサービスが受けられるもの)、店舗ピックアップ、翌日配達サービスと順調にサービスを拡大している。
アマゾンはまた、InstacartやPostmate、他の食料品スーパーチェーンのサービスとも競合している。
しかしながら、アマゾンの食料品の戦略は少し混乱しているようだ。ピックアップと配達をいくつかの店舗で展開しているホールフーズに加えて、AmazonFreshを通じても配達サービスを続けていて、いくつかのマーケットではPrime Nowも展開している。
それと同時に、アマゾンはレジなし型の商品を取って立ち去れるコンビニエンスストアにも投資した。消費者にとっては、アマゾンで食料品を注文するアクセスポイントが1つではないことになり、これは混乱につながるかもしれない。
WSJの報道についてアマゾンに問い合わせたところ、広報は「アマゾンは噂や推測にはコメントしない」とのことだった。
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(原文へ、翻訳:Mizoguchi)