Pew研究センターによる新しい調査によれば、米国の大人がソーシャルメディアプラットフォームを介してニュースを受けている割合が、一段と増加したことが示された。
昨年の5月の同調査では、米国の成人の62%がテクノロジープラットフォームからニュースを入手しており、そのうちの18%は頻繁にそうしていると報告されていた。そして最新の調査では、米国の成人の3分の2(67%)が、少なくともニュースの一部をソーシャルメディアから得ていると報告されている。一方、5分の1(20%)は「頻繁に」そうしているという結果になった。
これは大幅な増加ではないが、それでも増加はしている(Pewはそれを「控え目な」増加と呼んでいる)。
そして懸念される存在 ―― ソーシャルメディアにおけるニュースの主たる提供者であるFacebookは、事実と無意味なフィクションをそのプラットフォーム上で区別することに、明らかに無関心あるいは無能(またはその両方)なのだ。
確かに、多くの人びとが既に指摘しているように、ユーザーエンゲージメントの増加によってFacebookのビジネス上の利益がもたらされること、そして人びとの偏見を助長し、乱暴な対立を招く社会的主張を含む捏造されたニュースの方が、実際のニュースの事実報告よりも、Facebookのビュー回数をはるかに稼ぐことができることが示されてきた。
なので、ソーシャルメディアにおけるニュース消費の増加は今一度立ち止まって考える必要がある。特にFacebook(とGoogle)は従来のメディアから広告予算を奪い続けており、これまで民主主義が機能する上で重要な役割を果たしてきたビジネスの存続を脅かしている。
Pewの調査は、同研究センターの全国組織American Trends Panelのメンバーである4971人の米国成人からの反応に基いている。この調査は、2017年8月8日から21日にかけて行われた。
それによれば、ソーシャルメディアプラットフォーム全体における、ニュース消費の伸びは、「高齢で、教育程度が低い非白人」のアメリカ人によって支えられていることがわかった。 Pew研究センターによる調査で初めて、50歳以上のアメリカ人のうち半分以上(55%)がソーシャルメディアサイトでニュースを得ていることが報告されたが、これは2016年に比べて10ポイントの増加である。
またPewは、2017年に質問対象とした3つのソーシャルメディア ―― Twitter、YouTube、Snapchat ―― のどのサイトでも、ニュースを受け取るユーザーの数が増えていると報告している。
Twitterユーザーの約4分の3(74%)が同サイト上でニュースを得ていると述べており、これは2016年初頭に比べて15ポイントの増加だ。
YouTubeユーザーの約3分の1(32%)が同サイトからニュースを得ており、これは2016年初頭の21%から11ポイント増となった。
また、Snapchatのユーザベースでのニュースを消費も増加している。現在ユーザーの29%がそうしていると回答したが、これは2016年初頭の17%から12ポイント増となる。
それでも、Facebookは、全米の人びとに対してニュースを提供する主要なソーシャルメディアプラットフォームである。アメリカの成人の半分近く(45%)が、同サイトからニュースを得ていると報告されている(Facebookのユーザーベースは68%という多数に上る)。
時代は変わる。ちょうど1年前、Facebookはソーシャルメガプラットフォームがメディア企業の役割を果たしているという考えを鼻で笑っていた。そのアルゴリズムが何十億というユーザーたちのために、ニュース関連のコンテンツを選択して整列させているにもかかわらず、「私たちは単なるテクノロジープラットフォームです」という言葉が2016年9月には繰り返された。
12月までに、米国の選挙結果後にフェイクニュースの反撃を受けて、その言葉は信頼性の限界へと近付いていた。ここに至ってマーク・ザッカーバーグCEOは、Facebookが本当にメディア企業であると渋々ながら認めた。但しそれは「旧来」のものではないと言いながら。
それは真実だ。地球上の他のメディアに、このような広大なリーチとパワーを享受しているものはない。
今週Facebookが明らかにしたように、アメリカが派手な選挙活動に向かう中で、ロシアのエージェントたちが、Facebookプラットフォーム上で政治的広告を購入し、ターゲットを設定し、配信することで、アメリカ人の中の社会的集団を結びつけていったのではないかというささやかな疑いが持たれている。
2015年から2016年の間に、クレムリン(ロシア政府)を支持する団体が、政治的マーケティングのために、約10万ドルの広告枠をFacebookプラットフォーム上で購入したように見えるという社内の調査結果が報告された。
同社はこれまで、ロシアの団体によって購入された広告を公開せよという圧力に抵抗している。
これは完全にナンセンスだ。第一に法を犯しポリシーに反したロシア人たちはその広告に関してプライバシーを主張することはできない。
Pewの調査に戻ると、YouTubeの(成長している)ユーザーベースの間でも、ニュースの消費が増えているということが明らかになった。このGoogle/Alphabet所有のユーザー生成ビデオプラットフォームは、今や2番目にポピュラーなニュース向けソーシャルメディアサイトとなった。全米の成人のうちおおよそ10人に2人(18%)がニュースをそこから受け取っている。
Twitterの場合、そのユーザーの74%がサイトを経由してニュースを取得しているものの、ユーザーベースがFacebookやYouTubeのニュースよりも遥かに小さいことから、全体のリーチも小さくなっている。結果としてアメリカの成人のうちTwitter経由でニュースを取得しているのは11%に留まっている。
調査担当者は、アメリカの成人はこれまで以上に複数のソーシャルメディアサイトからニュースを得るようになっていると結論付けている。アメリカの成人のおよそ4分の1(26%)が2つもしくはそれ以上のサイトから情報を得ているが、これは2016年には18%だった。
追加調査によれば、インターネットはニュースのソースとして、テレビに肉薄していることが示された。2017年8月現在、米国人の43%がニュースをしばしばオンラインで入手していると報告されているが、テレビでニュースを頻繁に入手する人は50%だ。その差は僅か7ポイントである。2016年の初めには、2つのニュースプラットフォーム間のギャップは19ポイントだった。
要するに、インターネットのソーシャルプラットフォームの大手企業は、印刷媒体だけでなく、放送/テレビのニュースメディアを急速に吸収しつつあるのだ。
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(翻訳:Sako)