今年1月、AAA(米国自動車協会)は18歳以上のドライバー約2000人を対象に電話調査を行い、ちょっと驚く結果を得た。回答者の75%が、「自分が乗った自動走行車に運転を任せるのは怖い」と答えた。20%はこれを受け入れ、残る5%は空飛ぶ車が出るのを待っていたいようだ。
Googleのテスト車のような完全自動走行車が、人間の介入なしに近くを走り回るという発想に慣れきるまでにはまだ数年かかりそうだ。一方では、ADAS(先進運転支援システム)と呼ばれる半自動運転システムが普及しようとしている。AAAの調査回答者の約半数が、車線離脱警告や、車線維持システム、および適応型クルーズコントロールを信頼している。2022年までに全車種に塔載される自動緊急ブレーキシステムを信頼している人はわずか44%で、自動駐車システムを信頼している人は36%にすぎなかった。
当然のことながら、自分の車で既にこれらのシステムを使っている人たちは、信頼している率が高い。自車でその技術を利用したことのある回答者の数字は、25~30ポイント跳ね上がる。例えば、車線維持システムを使っている人の84%が信頼しているのに対して、自分の車に装備していない回答者では50%だった。
完全自動走行車は殆どの人を恐れさせているが、上述のADAS機能については、次に買う車に付けたがっていると調査結果は示している。しかし、欲しい理由はみな同じではない。ベービーブーム世代は半自動化技術が欲しい理由に安全を挙げているのに対して、新世紀世代は利便性と最先端テクノロジーを欲しがっている。女性がストレスを減らすためにこうした機能を欲しいと答える傾向が強いというのは興味深い。
ADAS技術にさえ抵抗を示す人々の10人中8人以上は、ロボットより人間の方が運転がうまいことを理由に挙げている。(AAAの縦列駐車に関する調査結果は、この人たちの意見とは一致していない)。他に回答者の大きな部分を占める、若者ドライバーと子供を持つドライバーたちは、テクノロジーに余分なお金を払いたくないと答えた。また女性は、技術をよく知らないか、複雑すぎることを心配しているようだ。
今日の人たちがいくら心配しても、こうしたシステムはますます一般的になっていく。調査結果が示すように、ADAS機能を体験したこのあるドライバーは、ますますこれを信頼する。ひとたび車線維持を信じた人にとって、縦列駐車システムを信じるまでの道のりは短い。そしてそこから、ハンドルのない車の中でVR映画を見てくつろげるようになるのは、時間の問題だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)