アル・フランケン上院議員、Apple Musicの捜査を当局に要請

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Appleのアプリ内購読サービスに対する法外な手数料に、大きな疑問が投げかけられている。連邦取引委員会(FTC)および司法省に宛てられた書簡でアル・フランケン上院議員は、Apple Musicの音楽ストリーミング市場における反トラスト法違反の可能性を調査するよう監督機関に要請した。

フランケン議員は、アプリデベロッパーを抑圧し、消費者の利益となるべき革新を妨げると考えられる、いくつかの非競争的ガイドラインを指摘した。

「音楽ストリーミング市場における競争の高まりは、良い製品の選択肢を増やし、価格を下げることによって最終的に消費者の利益になる」とフランケンは今日の書簡で言った。「しかし、Appleの支配的プラットフォーム運営者としての立場は、消費者利益を損う可能性がある。消費者の選択を守り、価格の透明性を高めるために、Appleのビジネス手法を音楽ストリーミング市場のライバルに照らして見直すことを要求する」。Attachment-1.0

ミネソタ州選出民主党の同議員が特に関心を持っているのは、Appleが他のアプリデベロッパーから巻き上げている30%の手数料だ。これは、Spotify等、標準的ストリーミング料金を通常9.99ドル/月で運用している購読サービスが、アプリ経由で獲得した定期購読の料金には3ドル上乗せする必要があることを意味している。

Spotifyは過去数週間にわたりこの問題提起し、サインアップをApp Store(12.99ドル)ではなくSpotifyウェブサイトで行い、3ドル節約するよう消費者に呼びかけている。そうすることでSpotifyは、いかにAppleの料金体系が消費者を蝕み、音楽ストリーミング市場の競争を弱めているかを明快に訴えている。当然Apple Musicの定期購読者は余分の3ドルを支払う心配はしなくてよい。

Apple Musicが消費者を害していることに警鐘を鳴らしているのはフランケンだけではない。昨日(米国時間7/21)The Vergeが報じたところによると、既にFTCはこの問題の調査を開始しており、音楽ストリーミングサービス各社に召換状を発行した。

Appleは優れたプラットフォームを運用することによって、他の音楽ストリーミングサービスの売上に大きく貢献しているが、アプリ内購入に課される30%はたしかに法外といえる。レコード会社との契約によって、月額10ドルの購読料金が事実上最低価格となっていることを踏まえればなおさらだ。

Appleが毎月の手数料をずっと低く10%に抑えれば間違いなくウケはよくなるだろうが、おそらくAppleは、繰り返し発生するアプリ内購入の月次手数料は一切取るべきではない。サインアップ促進の見返りに初月分の30%を一度だけ請求するなら十分理にかなっているし、消費者は他社サービスに高額料金を払い続けることもなくなる。

フランケンは書簡で、App Storeによってデベロッパーが多くの購読者を獲得することを可能にしたAppleの革新を正しく評価しつつ、今こそ消費者の利益のために料金体系を見直す時であると正しく主張している。

Appleは何とかテイラー・スウィフトをなだめる(至難の業)ことに成功したが、果たしてアル・フランケンにも同じことができるかどうか注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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