インシデント発生時にチームのコミュニケーションをより円滑にするIncident.io

Incident.ioは、Index VenturesとPoint Nineが主導して470万ドル(約5億2000万円)の資金を調達したと発表した。Incident.ioは、企業が障害やデータ侵害に直面した際に、問題について社内外に発信し、可能な限り迅速に解決するための適切なフレームワークを提供するスタートアップだ。

Index VenturesとPoint Nineに加えて、オンライン銀行Monzo(モンゾ)の創業者であるTom Blomfield(トム・ブロムフィールド)氏とJonas Templestein(ジョナス・テンプレスタイン)氏、Passion CapitalのEileen Burbidge(アイリーン・バービッジ)氏、Eventbriteの共同創業者であるRenaud Visage(ルノー・ヴィサージュ)氏など、複数のビジネスエンジェルが出資している他、GoCardlessのHiroki Takeuchi氏やLoomのVinay Hiremath(ヴィネイ・ヒレマス)氏など、一部の顧客も出資している。

Incident.ioは、Slackとの深い連携から始まる。多くのチームは、複数のツールを使い分けている。1つのサービスで障害を追跡しながら、それについてチームの他のメンバーとSlackで話し合う。これは非効率的であり、情報のばらつきにつながる。

Incident.ioでは、すべてがSlackで起こる。インシデントはSlackのチャンネルで発表され、何かが起こったときに人々は通知を受けることができる。「/incident」ショートカットを通して、一貫したフォーマットでインシデントを作成することができる。

その後、Incident.ioは自動的に特定の問題に関する別のチャンネルを現在の日付で作成する。ここでも、Slackのチャットボックスからサービスを利用したり、ボタンをクリックしたりすることができる。例えば、問題を誰かに割り当てたり、サマリーを追加したり、問題をエスカレートしたりできる。

そしてこれはSlackのチャンネルなので、人々はそのチャンネルで問題を議論できる。これにより、すべての情報を同じ場所で見られる。進行中のインシデントに人を追加すると、彼らにIncident.ioからサマリーが送られてくるので、不要な質問をする必要がない。

その情報はSlackだけに留まらない。クライアントは、インシデントの一覧が表示された独自のIncident.ioダッシュボードにアクセスできる。それぞれのインシデントには、参加者やイベントのタイムラインを含む独自のページが用意されている。例えば、GitHubのプルリクエストは自動的にこれらのタイムラインに追加される。

企業はこれらの情報を活用して事後報告の記事を作成し、チームや顧客と共有することができる。基本的に、Incident.ioを使用している企業は、より抜かりなく問題を処理し、その問題についてより透明性を高めている可能性が高い。これは、チームメンバーと顧客の両方にとって、より良い体験につながるはずだ。

画像クレジット:Incident.io

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

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