インタラクティブ楽譜アプリのTonaraは、iPad版アプリの新しい楽譜同期機能を発表した。Tonara最大のアップデートとも言えるこの楽譜同期を使うと、音楽家は自分の練習セッションの見直しができるほか、将来はコンサート会場やオペラハウスの自動ライティングや字幕の変更といった舞台監督機能にも役立てられる。
Tonaraのテクノロジーは、音声信号解析と独自アルゴリズムを組み合わせることによって、コンピューターが生演奏あるいは録音された音楽を理解できるようになる。つまりTonaraは、同時に複数の楽器で演奏された音符を追うことによって、たとえ演奏者がテンポを変えたり間違った時でも、現在の演奏位置を認識して正しいタイミングでページをめくることができる。さらに、Tonaraアプリで録音したセッション中の対応する音符とマッチングできるので、聞いてみたり練習したい楽句を見つけるために、早送りや巻戻しをして探す必要がない。
現在Tonaraは、この楽譜同期機能を練習用ツールと位置づけているが、イスラエル拠点のスタートアップ、Ramt Ganは、スマート・カラオケ・システムや舞台監督ツールなどに応用し、照明や字幕を譜面上の楽譜に基づいて自動的に変更するための提携プロジェクトに取り組んでいる。、
Tonaraは、2011年TechCrunch Disrupt in San Franciscoのファイナリストで、2012年7月に400万ドルのシリーズAラウンドを完了した他これまでに計475万ドルを調達している。投資家は、Carmel Ventures、Index Ventures、Lool Ventures、Eilon Tirosh、およびRami Lipmanら。
Tonaraは、Universal、Sony、EMI等の有名アーティストの楽曲を含む20万種の楽譜を管理している大手楽譜出版社、Hal Leonardと提携して楽譜ライブラリーを構築した。アプリは、ミュージシャンにとって「デジタル楽譜バインダー」の役目を果たし、無料の楽譜をダウンロードしたり、ヒットアーティストの楽曲の譜面を購入したり、メール、ウェブ、あるいはDropboxなどのクラウドストレージから楽譜をインポートすることができる。楽譜同期ページめくり機能に加え、Tonaraは、先生や練習セッション毎にレイヤーを作って注釈できる機能によって、ミュージシャンが技術に磨きをかけるのにも役立つ。
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(翻訳:Nob Takahashi)