日本のWondershakeが開発した、女性向けDIYレシピ共有サービス「Creon(クレオン)」のβ版が本日よりリリースされる。既存サービスである女性向けライフスタイル・メディア「Locari」との相乗効果にも期待ができ、来年3月予定の公式リリースまでに、月間10万人のアクティブユーザーの獲得を目指す。
DIY版クックパッド
本日Wondershakeがβ版をリリースしたCreonは、「DIY版のクックパッド」とも言えるサービスだ。インテリアやアクセサリー、コスメ、ガーデニングなど、幅広いジャンルのDIYレシピをユーザー同士が共有することができる。利用は完全無料で、メインターゲットは25歳から39歳の女性だ。
同社はすでに女性向けのライフスタイル提案メディアである「Locari(ロカリ)」を運営しており、同メディアのMAUは1000万人とのこと。同じ女性向け、そしてライフスタイル関連のサービスであるLocariとCreonの相乗効果にも期待ができそうだ。
女性向けDIY市場
「DIY」とは、自分で何かを作ったり、修理をすることを指した言葉だ。ここ数年でよく耳にするようになったという読者も多いことだろう。だが意外にもその歴史は長く、第2次世界大戦によって破壊されたロンドンの街を市民の力で復興させようというスローガン、「Do it Yourself」がその起原だという。
海外に目を向けてみると、DIYのレシピをブログのような形で共有できるinstructableや、ハウツーガイドアプリのSnapguideなどがある。2015年1月にはinstructableのユニークユーザー数が3000万人を突破しており、DIYレシピというものに一定のニーズがあることがうかがえる。
特に日本では「女性向けのDIY」というコンセプトが定着しつつあり、女性誌でDIYが特集されたり、通信カタログのフェリシモが女性向けDIYの専門サイト、「女子DIY部」を立ち上げるなどしている。
今回取材をした、Creon事業責任者の山田光氏によれば、Wondershakeが女性向けDIYについての市場調査を行ったところ、「調査対象430名のうち、70%が興味があると答え、35%がDIYの経験があると答えた」そうだ。
女性がDIYにチャレンジするきっかけを提供する
しかし、DIYに興味はあるが「どこで材料を買っていいか分からない。とっつきにくい」という女性がいることも事実だ。
そこで、DIY経験者が自分のレシピを簡単に共有することができ、フィードバックも受け取れるというプラットフォームを提供することで、女性とDIYとのあいだにある壁を取り除くというのがCreonのコンセプトだ。
材料の揃え方が分からないという意見を踏まえ、山田氏は「将来的には広告モデルはもちろん、Creonで直接パーツを変えるような仕組みをつくったり、クラフトキットを販売したりというマネタイズの方法を考えている」と話す。ただ、「当分の間はユーザー獲得に専念する」とのこと。
そのために、SNSやメディア媒体でDIY作業中の動画などを流していくことで、「女性向けDIY」というコンセプトの浸透を図っていく。
フェリシモの女子DIY部などのように、メディア提案型のDIY関連サービスはすでに存在する一方で、ユーザー参加型のサービスは今のところ見当たらない。考えられる競合として山田氏は、「インテリアの実例写真を共有できるルームクリップなどが間接的な競合」だと話している
2011年創業のWondershakeの社名には「驚きで世界、そして人の心を揺らしたい」という想いが込められているそうだ。
Creonのβ版リリースは本日11月15日、公式リリースは3月を予定している。震源地はここ、日本だ。