Intel(インテル)は7月3日、Jio Platformsに2億5350万ドル(約273億円)を出資すると明らかにした。インドの大手通信会社Jio Platformsにはここ数カ月、Facebook(フェイスブック)やGeneral Atlantic(ゼネラル・アトランティック)、Silver Lake(シルバー・レイク)などそうそうたる投資家が出資していて、インテルもそのリストの仲間入りを果たす。
米国のチップメーカーであるインテルの投資部門はJio Platformsの株式の0.39%を取得し、これによりJio Platformsのバリュエーションは650億ドル(約7兆円)となる。Jio Platformsの株式を取得する投資家としてはIntel Capitalは12番目だ。Jio Platformsは今年4月以降、株式の25%を売ることで155億ドル(約1兆7000億円)超を調達した。
「素晴らしいエンジニアリング能力を活用して低コストのデジタルサービスのパワーをインドにもたらそうというJio Platformsの目的は、暮らしを豊かなものにする斬新なテクノロジーを届けるというIntelの目的と合致する。デジタルアクセスとデータが事業や社会をより良いものに変えることができると我々は確信している」とIntel Capitalの会長Wendell Brooks(ウェンデル・ブルックス)氏は声明で述べた。
今回の発表の前に、Jio Platformsの親会社であるReliance Industriesを采配するMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏は、彼のデジタル部門への6月18日のサウジアラビアのPFI(パブリック・インベストメント・ファンド)による15億ドル(約1600億円)の投資でもって「Jio Platformsによる資金面での当面のパートナー勧誘は終了となる」と述べていた。
インド最大の資産家であるアンバニ氏は7月3日、「『インド経済の全部門に活力を与え、13億人ものインド国民の生活の質を改善する最先端のテクノロジーにおけるインドの能力を高めるためにインテルとともに取り組む』ことに興奮している」と述べた。
新たな契約は、インドで最も価値の大きな企業であるReliance Industriesの創業4年の子会社Jioに、海外の投資家がさらに機会を見出すことを意味する。Reliance Industriesは通話やモバイルデータの料金割引でインドの通信マーケットに新風を吹き込んだ。Jioの利用者は4億人だ。
調査会社のBernstein(バーンスタイン)のアナリストは先月、Jio Platformsの顧客が2023年までに5億人に達し、マーケットの半分を2025年までに手中に収めると予想している、と述べた。Jio PlatformsはBharti Airtel、そしてVodafone Ideaと競合している。Vodafone Ideaは英国の大企業Vodafoneとインドの億万長者Kumar Mangalam Birla(クマール・マンガラム・ビルラ)氏のAditya Birla Group(アディティア・ビルラ・グループ)との合弁会社だ。
Jio Platformsはまた、音楽ストリーミングサービスJioSaavnやオンデマンドのライブTVサービスJioTV、決済アプリJioMoneyなど一連のデジタルアプリやサービス、そしてスマートフォンやブロードバンドの事業も運営している。Jio利用者はこれらのサービスを追加料金なしで利用できる。
7月2日夜、Jio Platformsは1回のセッションが「最大24時間」で無制限で利用できるビデオ会議サービスとしてJioMeetを立ち上げた。現在有料プランはないこのサービスはZoomにかなりそっくりだ。
先月、アンバニ氏はJio Platformsが調達した資金は、石油と小売の大手企業Reliance Industriesの正味の借入金210億ドル(約2兆3000億円)の返済にあてたと話した。アンバニ氏はRelianceの負債を2021年初めまでに返済すると約束していた。
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(翻訳:Mizoguchi)