インドでは毎年何千万という人々が中古スマートフォンを買っている。そこは世界で2番目に大きい市場だ。携帯電話メーカーやAmazon(アマゾン)、Flipkart(フリップカート)などの巨大オンライン販売業者はその事に気づいているが、中古スマホを検査、修理して再販売することは彼らにとってあまりにも面倒だ。しかし、同時に彼らは、顧客が今持っている端末を下取りに出せれば、もっとスマートフォンを買うであろうことも知っている。
現地時間3月4日、その課題に挑戦する企業を助けるためのスタートアップが、新たな調達ラウンドで1500万ドル(約16億1000万円)調達した。ニューヨーク拠点のOlympus Capital Asiaが、環境セクターに特化したファンドであるAsia Environmental Partnersを通じて出資した。初期の出資者としてBlume Venturesを迎えた創業5年のスタートアップは、これまでに4200万ドル(約45億円)調達している。
Cashify(キャシファイ)は、オンライン、実店舗、および無人端末で名前が示すどおりのプラットフォームを運用しているスタートアップで、ユーザーはそこでスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ノートパソコン、デスクトップ、ゲーム機などを売買できる。ただし現在プラットフォーム上の取引の90%はスマートフォン関係だと、CashifyのファウンダーでCEOのMandeep Manocha(マンディープ・マノチャ)氏がTechCrunchのインタビューで語った。
「消費者に対する私たちの提案は、今持っているいるデバイスを簡単に売れるようにすることです。当社のサイトかアプリで質問に答えてデバイスの状態を客観的に評価すれば、どれだけの価値になるか見積もりを出します」と彼は言った。「価格が気に入れば、店頭で引き取って即金で払います」。
数年前に私は、世界的に返品に悩まされているeコマース企業について書いた。そこには法的責任に係る課題がたくさんあり、返品されたスマートフォンが内部に手を加えられていないことを保証するのもその1つだ。さらには注文取り消しにかかる間接コストもある。
マノチャ氏は、ここ数年電話機メーカーとeコマース会社は返却された商品を扱う良い方法を見つけたが、それでも相当量の費用がかかっていると語った。こうした問題がCashifyのようなスタートアップに大きなチャンスを生み出した。
Cashifyはインドでこの業界で最大手だと言っている。スタートアップの提携先はApple(アップル)、Samsung(サムスン)、OnePlus(ワンプラス)、Oppo(オポ)、Xiaomi(シャオミ)、HPなど「ほぼすべてのOEM」だ。「あなたが今、Appleストアに行くと、そこで使われているのは私たちのプラットフォームです」。インドの消費者が下取りプログラムを利用する場合、Apple.comもCashiftyの下取りプラッフォームを使っている、と彼は言った。
会社はインド最大級のeコマース企業とも提携している。Amazon、Flipcart、Paytm Mall(ペイティーエム・モール)などだ。これらの企業はCashiftyの下取り・交換ソフトウェアを使っているだけでなく、同社によるデバイスの現金化も利用している。Cashiftyは受け取ったデバイスを修理し、再生された商品を顧客に販売する。
「実際、直接当社を訪れても、有名eコマース会社や携帯電話OEMに行っても、取引きのほとんどは当社が処理しています」と彼は言った。客がデバイスをOEM会社やeコマース会社に持ち込んだ場合でも、デバイスはそこからCashiftyのような業社に売られる。同スタートアップには1500以上の都市で200万人以上の顧客がいる。
Cashifyは新たな資金の一部を、オフライン市場でのプレゼンス拡大に使う計画だ。マノチャ氏によると、Cashifyはインドのショッピングモールでオフライン店舗と無人店舗を数十カ所運営しており、顧客へのブランド認知が非常に効果的であることをすでに証明している。
同社はインド以外にも拡大し、人材を増やすとともに自社サービスの情報を広めるために投資を増やす計画だ。「Cashiftyの経営チームは、強力な消費者向けフランチャイズをつくり、OEM、eコマース企業や電子機器小売業者と関係を築いて消費者とのあらゆる接点で存在を示すことに関して理想的な経験を持っています」と、Asia Environment Partnersのマネージング・ディクターであるPankaj Ghai(パンカイ・ガイ)氏は声明で語った。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Cashify、インド、スマートフォン、資金調達
画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images
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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook )