インド政府がUberやOlaなどのライドシェアサービスにおける手数料率上限を規定

インドでは、OlaUberのようなライドシェア企業は、乗車料金の最大20%までしか取ってはならない。インド政府が米国時間11月27日に発行したガイドラインではそうなっている。特にソフトバンクが投資しているこの2社は重要な海外市場で苦戦しているだけに、この決定はこたえるだろう。

このガイドラインによってインドでは初めて、アプリベースのライドシェア企業に規制が及ぶことになる。また、UberとOlaがともに採用しているピーク時の高料金にも制限がかかる。

ガイドラインによると、OlaとUberおよびそのほかのアプリを利用するライドシェア企業は、最大で基本料金の1.5倍までしか料金を請求することができない。ただし、基本料金の50%を下限とする割引料金を提示することはできる。またドライバーの労働時間は1日12時間を上限とし、企業はドライバー全員に、保険をかける必要がある。

UberとOlaはこれまで、乗車料金のうちドライバーの取り分を公表したことはなかったが、業界の推計では、両社とも乗車料金の最大74%が税引き後のドライバーの取り分だ。新しいガイドラインではそれが、80%以上となっている。

ライドシェアの乗車料金の制限と、ドライバーへの保険の義務化で両社ともに経費が増える。しかも両社はこの数カ月におよぶパンデミック期間中に、コスト削減のためドライバーの数を減らしている。南アジアは多くの巨大国際企業が次の成長市場として惹かれているが、現在のところ過去に前例のない不況に陥っている(Bloomberg記事)。

UberもOlaも11月27日の時点でコメントを出していないが、このガイドラインは両社の足かせになるだけではない。私有の車による共有カー、すなわちカープーリングサービスも認めている。ただしそれには制限があって、市内の乗車は1日4回まで、都市間は週に2回までとなっている。

バンガロールのマーケティング調査およびコンサルティング企業であるRedseerの共同出資者Ujjwal Chaudhry(ウジワル・チャウドリー)氏によると、政府によるこのガイドラインの影響は良い面も悪い面もある。

「ポジティブな面としては、この業界が正式に認められ、また安全規則の改善で、車やドライバーを集める側の企業に対する消費者の信頼が増すことだ。しかし全体的に、このガイドラインのエコシステムの成長に対する影響はネガティブだ。高料金を制限したことによって、現在、50万人いるドライバーの収入は減少し、6000万から8000万いるといわれるユーザーにとっては、料金と待ち時間が増える結果になるだろう」とチャウドリー氏は声明で述べている。

ガイドラインのルールは、ライドシェアを取り巻くそのほかの要素にも触れている。ライダーまたはドライバーに課せられるキャンセル料は総料金の10%を超えてはならない。料金は100ルピー(約140円)を超えてはならない。カープーリングサービスを利用する女性客は車の共有者を女性に限定できる。また事業者はコントロールルームを24時間運用しなければならない。

インドのアプリを使用するライドシェア市場は、OlaとUberが支配している。どちらも自分たちがトップだと主張しているが、両社に投資しているSoftBankによると、インドではOlaがUberを若干リードしているとのことだ。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberOlaインド

画像クレジット:Indranil Aditya / NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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