インフラ自動化のPuppetがブラックロックからの約43億円のデットラウンドを発表

オレゴン州ポートランドに拠点を置くインフラ自動化企業であるPuppet(パペット)は米国時間7月16日、BlackRock Investments(ブラックロック・インベストメンツ)からの4000万ドル(約43億円)のデットラウンドを発表した。

Yvonne Wassenaar(イボンヌ・ワッセナー)CEOは「PuppetはこのデットラウンドをBlackRockとの長期的な関係の一部だと考えている」と語った。「当社がBlackRockとともに歩もうと決めた理由でもあり、興味深い点でもあるのは、彼らの投資はいつも長期的な関係の最初のステップになってきたことだ」と同氏はTechCrunchに語った。

スキームとしては、BlackRockが同社に出資するのではなく、Puppetによる借り入れが選択された。「当社は、時間が経てば返済義務が生じる借り入れを選んだ。BlackRockは当社の取締役会にオブザーバーの席を確保した。彼らは当社のビジネスの成長・発展のための協働に意欲的だからだ」とワッセナー氏は述べた。

Puppetは約18カ月前にワッセナー氏が加わり、経営陣の刷新を進めている。同氏は2019年に、業界のベテランであるErik Frieberg(エリック・フリーバーグ)氏をCMOとして、Paul Heywood(ポール・ヘイウッド)氏をCROとしてそれぞれ招いた。2020年になってCloud Foundry Foundationのディレクターを務めたAbby Kearns(アビー・カーンズ)氏をCTOに迎えている(未訳記事)。

こうした動きはすべて、将来のIPOを視野に入れているとワッセナー氏はいう。「当社は理想的には、最終的にIPOへの道を進みたい。どう進むべきなのか、その過程で何が必要なのかを考えている」と述べた。

ワッセナー氏は「いくつかの点で企業は、パンデミックによりPuppetが提供するような自動化ソリューションを詳細に検討する必要に迫られた」と指摘する。「パンデミックによって当社の帆に風が当たり始めたことは本当に興味深い。企業には自動化の必要性が生じ、テクノロジーの観点から自動化をどう活用し、拡張するか考えなければならなくなった」。

Puppetが成長を続ける中、ワッセナー氏によると「多様性が組織の中心的な価値であり、当社はジェンダーの観点では進歩を遂げた」(経営幹部に同氏とカーンズ氏がいる)が、人種的多様性については現在取り組みんでいるところだ。

「今注目されており、もっとやるべきことがあると私が思うのは、ジェンダーの多様性を人種的観点から補完することだ。それは私が個人的に行ってきたことであり、私は当社が人種的多様性を進められるよう会社を変革することに真剣に取り組む」と同氏は述べた。

Crunchbaseのデータによると、同社はこれまで1億5000万ドル(約160億円)近くを調達した。直近のラウンドは2018年のシリーズFで、4200万ドル(約45億円)を調達した。同社はワッセナー氏が来る前の2016年に2200万ドル(約24億円)の債務融資を受けていた。

関連記事:Puppet names former Cloud Foundry Foundation executive director Abby Kearns as CTO(未訳記事)

画像クレジット:kanawatvector / Getty Images

原文へ
(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。