ウォンテッドリーがSlack活用のチーム管理ツール「Pulse」のα版提供、お互い面倒な従業員サーベイが容易に

転職系のビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは6月2日、チームマネジメントツール「Pulse」のアルファ版の無償提供を開始したことを明らかにした。これは同社のエンゲージメント領域の新事業の第3弾で、Wantedlyの有料プランを利用している企業は追加料金なしで利用できる。ただし、利用には申し込みが必要。

Pulseは、Slack上のミニアプリ「Wantedly Slack App」上で提供される。テレワーク環境下で従業員への自社の価値観(バリュー)の周知や体調管理をSlack上で手軽に行えるのが特徴だ。なお同アプリにはPulseのほかにも、会社訪問アプリ「Wantedly Visit」のユーザーからの応募やメッセージ通知を受け取ることができる。もちろん、すべてのWantedly利用企業かこのミニアプリを利用できる。

Pulseで利用できる主な機能は以下の2つ。

コンディション管理機能「調子どう?」
週に一度、従業員に対して5段階で体調を回答する質問を送付。管理者はメンバーの体調の変化や傾向を管理画面で確認でき、調子のいい従業員、困っている従業員を可視化できるなど、チームの変化に気付くきっかけを得られる。

称賛機能「さすが!

自社の価値観を体現した人に対し、会社ごとに設定したハッシュタグをつけて本人宛てに称賛メッセージを送ると、送ったメッセージがバリュー名がついたチャネルに自動集約。称賛を送った数、送られた数などが管理画面上に集約され、バリューの浸透具合を可視化できる。

 

なおミニアプリでは、Slackの管理者権限とは別にPulseの管理者権限を付与しているため、Slackの管理者であってもPulseの管理者権限がないと他の従業員のデータは参照できないようになっている。

同社はPulseを開発した背景として「会社の大小に関わらず、バリューが浸透する会社・組織を増やしたい」とのこと。「Pulseは、仕事で日常的に使うチャットを通して、従業員の向かう方向性を束ね、自律して同じ価値に向かう強いチームを生み出します。スタートアップであれば、Pulseがバリューを考えるきっかけになり、育てていくことをサポートします。大企業であれば、バリューを浸透させるフックとなる仕掛けを提供できればと考えています」と語る。

同社はまた、エンゲージメント事業を進めるうえでWantedly利用企業の経営者や人事・採用担当者などにアンケートを実施し、177社から得られた回答を公開した。従業員エンゲージメントについて課題を感じると回答した企業は92%と非常に多く、中でもバリュー・ミッション浸透に課題を感じているこことがわかったそうだ。


また、組織課題の解決のために67%の企業がコミュニケーション機会の増加に取り組んでいるという。さらに、回答企業全体では92%がチャットツール利用しており、利用割合が多かったのはSlackで67%という結果になったという。

ウォンテッドリーは、Wantedlyのほかにも会社訪問アプリ「Wantedly Visit」、つながり管理アプリ 「Wantedly People」といったサービスを開発・提供。2020年3月以降はエンゲージメント領域の新事業を次々とリリースしており、従業員の挑戦を支援するための従業員特典サービス 「Wantedly Perk」、社内報サービス「Internal Story」が利用可能になっている。

Wantedly Perk
Wantedly導入企業向けに、従業員がさまざまなサービスを割引価格で利用できる。

Internal Story
会社のストーリーやメンバーに関する記事を外部へ発信できる「Feed」機能を拡張。自社メンバーのみを対象にした記事を作成・公開できる。

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TechCrunch Japan

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