“オンライン完結インターン”で企業の技術や文化を疑似体験、プロエンジニア養成所「TechTrain」が新機能

U30の次世代エンジニアを対象としたプロエンジニア養成サービス「TechTrain」を展開するTechBowlは10月16日、企業の事業や技術、カルチャーを疑似体験できるオンライン完結型のインターン機能「MISSION」を公開した。

MISSIONは企業とTechBowlが共同で開発したオリジナルのオンライン型インターンプログラムだ。企業の事業や技術、カルチャーを「好きな場所で、好きな時間に」体験することが可能。実際にインターンをクリアしたユーザーは企業担当者からフィードバックを受けたり、オフィスでの交流会に参加したりといった機会を手にすることができる。

各MISSIONのページでは詳細や大まかな開発ステップ、技術面のヒント、提供企業の担当者からのメッセージ、企業情報などを掲載。ユーザーはこのステップに基づいてオンライン上でプログラムに取り組んでいく。

第1弾としてサイボウズ、アカツキ、LIFULLが本日より独自のプログラムを公開している。たとえばチームのコラボレーションツールを開発するサイボウズのお題は「就活生同士で会社情報を共有できるアプリの作成」。モバイルゲーム事業を展開するアカツキの場合は「ワンタップで遊べる、横スクロールランナーゲームの作成」といったように、各企業の事業内容やカルチャーを反映している点がポイントだ。

実際に公開されているサイボウズのプログラム

TechTrain自体がプログラミング未経験者ではなくプログラミングの経験がある(自分で学習している人も含め)ユーザーを対象にしていることもあり、インターンの内容も実践的なものが並ぶ。

プログラムを進めていく上で課題に直面した場合にはTechTrainのウリでもある「経験豊富な社会人エンジニアのメンター」にすぐに相談できる機能を搭載。1回30分、無料のオンライン面談を通じて“開発現場で役に立つナレッジやフィードバック”をもらえるのが特徴だ。

以前も紹介したようにメンター制度は当初からTechTrainのコアコンテンツとなっていて、現在は35社70名を超える社会人エンジニアが所属。ユーザーは個別で気になるメンターを指名するほか、スキルや職種といった条件から該当するメンターを探すことも可能。このサービスは人材紹介でマネタイズをするモデルのため(採用が決まった際に企業から成果報酬を得る)、ユーザーは完全に無料で使うことができる。

TechTrainはこれまで約400名のユーザーに活用されていて、代表取締役の小澤政生氏によると全体の7割ほどが学生で3割が社会人とのこと。最近はプログラミングスクールの卒業生がより実務に近い体験をしたくて登録しているケースが多いほか、すでに企業でエンジニアとして働いている新卒2〜3年目のメンバーも複数名いるそうだ。

「プログラミングよりも『実務においてどんなトラブルが起こり、それをどうやって乗り越えるのか』といったエンジニアリングを学べる場所を意識して作ってきた。(入門者向けのプログラミングスクールは増えてきているものの)そういったスキルや知識を身につけられる環境はまだ整っていない。特に今使ってくれている学生の中には地方在住のユーザーも多く、オンラインで現場のエンジニアと繋がりメンタリングを受けられる点は価値を感じてもらえている」(小澤氏)

僕自身も関西の大学に通いながら就活では関東のベンチャー企業を中心に受けていたから、その大変さはわかる。地方在住の学生や若手エンジニアにとって今回スタートしたオンライン完結型インターンはもってこいのプログラムと言えそうだ(ちなみに学生だけでなく社会人も参加できるとのこと)。

小澤氏の話では企業側としてもエンジニアの採用競争が激化する中で、就活時期に限らずオンラインコンテンツを介して通年でエンジニアの卵と接点を持てることは大きいとのこと。特にMISSIONをクリアしたユーザーはプログラムを通じて企業への理解もある程度深めている状態のため、その後のコミュニケーションも進めやすい。

時期的な観点では来年は東京オリンピックが開催される時期とサマーインターンのタイミングが重なるため、採用担当者から「従来のように東京でインターンを実施するのが難しい」という相談を受けることも多いそう。オンライン完結型のインターンはその解決策の1つにもなりうるということだった。

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。