エンジニア採用育成支援サービス「TechTrain」を提供するTechBowlが1.3億円のプレシリーズA調達

U30(30歳以下)に特化したエンジニアの教育事業と人材マッチング「TechTrain」(ユーザー向け/企業向け)を展開するTechBowlは1月27日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額1億3000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は博報堂DYベンチャーズ、D4V、SMBCベンチャーキャピタル。調達した資金により、TechTrainへの開発投資・広告・マーケティング強化・人材採用を促進する。

TechTrainは、50社100名を超える有名企業のエンジニアに対して、好きな時に、1on1で技術やキャリア相談が行えるオンラインサービス。「現役ITプロエンジニアが、会社の垣根を越え、次世代のエンジニアをみんなで育てる」という思想で立ち上げられた。サービス開始から2年半でユーザー数は4000人を突破し、現在では累計5000件以上の面接ののち、200社以上の企業のエンジニア採用支援を行った。

TechTrainの特徴は、「パーソナライズド・エンジニアリング」、実践型開発ドリル「Railway」、実践型ワークサンプル「MISSION」の3つ。パーソナライズド・エンジニアリングは、新規登録時にスキルレベルを診断し、利用目的(就職またはスキルアップ)を掛け合わせ計10パターンのカリキュラムを展開する。これにより、各ユーザーのレベル感や希望に合わせた「パーソナライズド・エンジニアリング」を提供できるという。

2つ目のRailwayは、実務で直面するケースに絞った、現役エンジニアメンターが完全内製した教材。ユーザーは、コピー&ペーストではなく自力でコードを書く基礎力を身に付けられ、実践を想定したスキルアップが可能となる。電車の路線マップのように、技術分野ごとに問題を出題。各問題に自動合否判定システムを組み込んでおり、教育のオートメーション化を実現した。

MISSIONは、各社CTOが出題する実践型ワークサンプルを基に、オンラインで各社の事業・技術・文化を、自身でプログラミングしながら理解を深められるというもの。クリアすれば企業から特別オファーがある。候補者と企業の双方が効率的かつ高精度なマッチングが行える。

“オンライン完結インターン”で企業の技術や文化を疑似体験、プロエンジニア養成所「TechTrain」が新機能

U30の次世代エンジニアを対象としたプロエンジニア養成サービス「TechTrain」を展開するTechBowlは10月16日、企業の事業や技術、カルチャーを疑似体験できるオンライン完結型のインターン機能「MISSION」を公開した。

MISSIONは企業とTechBowlが共同で開発したオリジナルのオンライン型インターンプログラムだ。企業の事業や技術、カルチャーを「好きな場所で、好きな時間に」体験することが可能。実際にインターンをクリアしたユーザーは企業担当者からフィードバックを受けたり、オフィスでの交流会に参加したりといった機会を手にすることができる。

各MISSIONのページでは詳細や大まかな開発ステップ、技術面のヒント、提供企業の担当者からのメッセージ、企業情報などを掲載。ユーザーはこのステップに基づいてオンライン上でプログラムに取り組んでいく。

第1弾としてサイボウズ、アカツキ、LIFULLが本日より独自のプログラムを公開している。たとえばチームのコラボレーションツールを開発するサイボウズのお題は「就活生同士で会社情報を共有できるアプリの作成」。モバイルゲーム事業を展開するアカツキの場合は「ワンタップで遊べる、横スクロールランナーゲームの作成」といったように、各企業の事業内容やカルチャーを反映している点がポイントだ。

実際に公開されているサイボウズのプログラム

TechTrain自体がプログラミング未経験者ではなくプログラミングの経験がある(自分で学習している人も含め)ユーザーを対象にしていることもあり、インターンの内容も実践的なものが並ぶ。

プログラムを進めていく上で課題に直面した場合にはTechTrainのウリでもある「経験豊富な社会人エンジニアのメンター」にすぐに相談できる機能を搭載。1回30分、無料のオンライン面談を通じて“開発現場で役に立つナレッジやフィードバック”をもらえるのが特徴だ。

以前も紹介したようにメンター制度は当初からTechTrainのコアコンテンツとなっていて、現在は35社70名を超える社会人エンジニアが所属。ユーザーは個別で気になるメンターを指名するほか、スキルや職種といった条件から該当するメンターを探すことも可能。このサービスは人材紹介でマネタイズをするモデルのため(採用が決まった際に企業から成果報酬を得る)、ユーザーは完全に無料で使うことができる。

TechTrainはこれまで約400名のユーザーに活用されていて、代表取締役の小澤政生氏によると全体の7割ほどが学生で3割が社会人とのこと。最近はプログラミングスクールの卒業生がより実務に近い体験をしたくて登録しているケースが多いほか、すでに企業でエンジニアとして働いている新卒2〜3年目のメンバーも複数名いるそうだ。

「プログラミングよりも『実務においてどんなトラブルが起こり、それをどうやって乗り越えるのか』といったエンジニアリングを学べる場所を意識して作ってきた。(入門者向けのプログラミングスクールは増えてきているものの)そういったスキルや知識を身につけられる環境はまだ整っていない。特に今使ってくれている学生の中には地方在住のユーザーも多く、オンラインで現場のエンジニアと繋がりメンタリングを受けられる点は価値を感じてもらえている」(小澤氏)

僕自身も関西の大学に通いながら就活では関東のベンチャー企業を中心に受けていたから、その大変さはわかる。地方在住の学生や若手エンジニアにとって今回スタートしたオンライン完結型インターンはもってこいのプログラムと言えそうだ(ちなみに学生だけでなく社会人も参加できるとのこと)。

小澤氏の話では企業側としてもエンジニアの採用競争が激化する中で、就活時期に限らずオンラインコンテンツを介して通年でエンジニアの卵と接点を持てることは大きいとのこと。特にMISSIONをクリアしたユーザーはプログラムを通じて企業への理解もある程度深めている状態のため、その後のコミュニケーションも進めやすい。

時期的な観点では来年は東京オリンピックが開催される時期とサマーインターンのタイミングが重なるため、採用担当者から「従来のように東京でインターンを実施するのが難しい」という相談を受けることも多いそう。オンライン完結型のインターンはその解決策の1つにもなりうるということだった。

現役エンジニアがメンターの実践的プロエンジニア養成所「TechTrain」公開

次世代のエンジニアが実践的な技術を学べる場を提供すべく、2018年10月に設立されたTechBowl。同じ年の12月にXTechVenturesと中川綾太郎氏から資金調達を行い、サービスの本格的な立ち上げを進めていた同社が、ついにプロエンジニアの養成所「TechTrain(テックトレイン)」をスタートした。

TechTrainは、プロのエンジニアを目指すU30(30歳以下)のユーザーのためのスキルアップ、キャリア支援の場として用意された。エンジニアとして就職や転職を検討していて、開発の基本的な経験や自学経験のある人が対象となる。

メンターとして指導を行うのは、現場経験がある、現役の社会人エンジニア。業界で活躍する現役社会人が、副業で登録しており、技術そのものというよりは、エンジニアとしての仕事の進め方、コードの書き方、立ち回り方など、実践的なメンタリングを行っていく。

メンターには現在約50名が所属。ユーザーは無料で開発のアドバイスやコードレビューをしてもらいながら、仕事や技術を学ぶことができる。

またプログラミング技術だけでなく、エンジニア採用の経験豊富なキャリアアドバイザーによる就職・転職相談も可能。スキルや志向に合わせて、マンツーマンでキャリア支援が受けられ、40社以上のIT・ウェブ系企業の情報を得ることができる。

相談・質問はオンラインで行うため、時間や場所にしばられずにアドバイスやコードレビュー、キャリア支援が受けられる。

さらにTechTrainでは、現在、実際のプロダクトづくりに近い環境で、擬似的に開発実務を体験できる教材を開発中だ。家や研究室など、どこにいても実戦経験を積むことができ、分からないところをメンタリングしてもらうことができるようになるそうだ。

TechCrunchの12月の取材で、TechBowl代表取締役の小澤政生氏は「今は新卒のエンジニアの場合、(スキルアップのためには)インターンか会社説明会にエントリーするかの2択が一般的」として、第3の選択肢になり得るサービスを提供すると述べていた。

また小澤氏は、メンターとユーザー、メンター同士やユーザー同士が交流できる機会も増やしながらコミュニティを広げ「ゆくゆくは次世代を担うエンジニアの卵が日本で1番集まっている場所を目指す」とも話していた。

TechBowlでは昨年すでに、全国各地のエンジニアコミュニティ11団体とアンバサダー提携。TechTrainでは、こうした団体とのコラボによる勉強会やハッカソン、メンターとの交流会も開催する予定だ。ユーザーは、こうしたミートアップやコミュニティに自由に参加することができるそうだ。

TechBowlがアンバサダー提携するエンジニアコミュニティ11団体