オーダーメイドスーツEC「ラファブリックス」は日本人体型に合うフィットアルゴリズムで試着の壁を超えようとしている

ライフスタイルデザインの森雄一郎代表。着ているジャケットとシャツはラファブリックスで注文したものだ

オンラインで好みのスーツやシャツをオーダーできる「LaFabrics(ラファブリックス)」が19日、正式にリリースした。質問に応えるだけで最適なサイズを提案する独自開発の「フィットアルゴリズム」によって、試着せずに自分に合ったスーツやシャツを通常の半額程度でオーダー可能なのだという。まずはウェブ版をローンチし、数週間以内にアプリをリリースする予定だ。

オーダーメイドといえば、テイラーが店頭で採寸するのが相場。オンラインでの注文となると、サイズが不安で二の足を踏んでしまいそうだ。ラファブリックスはそんな心配を解消するために、10万人の採寸データを持つアパレル工場と共同で日本人の体型パターンを分析。独自のフィットアルゴリズムを構築し、数千パターンの中から最適なサイズを提案している。(カラダの各部位を自ら採寸して入力するオプションや、サイズが合わなかった場合にリメイクの代金を負担する「100%満足保証」もある。)

注文の手順は極めてシンプルだ。まずは欲しいスーツ・シャツの写真の中から好みの生地を選び、襟やポケットなどのデザインの項目をクリックする。あとは身長、体重、年齢、肩の形(いかり肩、なで肩、普通)、お腹まわり(フラット、少しでている、大きくでている)など7つの質問に答えるだけで体型に適したサイズを提案してくれる。ラファブリックスを運営するライフスタイルデザインの森雄一郎代表は、「キーボードを使わせないのがUI/UXのコンセプト」と語る。

ひと口にオーダーメイドと言っても、その人専用の型紙を起こすところから始まる「フルオーダー」や、基本的なデザインの中からその人に合った型紙を選ぶ「パターンオーダー」があるが、ラファブリックスは後者だ。素材は「Made in Japan」にこだわり、一部を除くほとんどの商品に日本製の生地を使用。伊勢丹や東急百貨店などのオーダーメイドスーツも手がける「国内で最高クラス縫製技術の工場」と提携し、同クオリティの商品の半値程度で販売する。シャツは7900〜9800円、スーツは3万〜6万円台の商品が中心だ。

森氏はアパレル業界出身の27歳。185cmのスラリとした長身だが、その長い腕にフィットするスーツやシャツを既成品では見つけられなかった。当事は「オーダーメイドの発想すらなかった」森氏だが、友人が作ったスーツを見て自分も試してみたところ、「既成品では出せないフィット感」のトリコに。ネットとテクノロジーを使えば、誰でも手軽に低価格にオーダーメイドのスーツやシャツを作れると思ったことが、サービス立ち上げのきっかけとなったという。

北米市場に目を向けると、オーダーメイドスーツ・シャツのECサイトは2007年に創業したカナダの「Indochino.com」や同年創業したアメリカの「J Hilburn」などが有名。Indochinoは2013年3月にシリーズBで1350万ドルを調達するなど、オンラインでオーダーメイドのスーツ・シャツを注文する行為は珍しくないどころか、「市場は競争が激化している」(森氏)。ラファブリックスは年内に、新規購入者ではなくリピーターの数を1万人確保し、10億円規模の売上を目指すという。「ゆくゆくは就活の学生がオーダーメイドを買える価格帯を実現したい」。


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TechCrunch Japan

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