先週公開されたNielsenの最新のレポートを見ると、オーディオストリーミングサービスの盛り上がり具合がよくわかる。ストリーミングサービスの普及率が大幅に上がっただけでなく、合計再生回数も過去最高を記録しているのだ。アメリカ市場を対象にした同レポートによれば、今年の3月にはオーディオストリーミングの週間再生回数が初めて70億回を突破した。
念のためだが、これはあくまで”オーディオ”ストリーミングであって、ここには音楽以外のものも含まれる。
”オーディオ”というカテゴリーには、スポークンワードやポッドキャストも含まれており、特にポッドキャストの再生回数は急激な伸びを見せた。Nieslsenは音楽とそれ以外のコンテンツの再生回数に関する詳細はレポートに明記していないものの、同社が以前発表した情報では、成人ユーザーのポッドキャストの月間消費量は過去5年間で倍増したとされている。
その一方で、SpotifyやApple Musicをはじめとする音楽ストリーミングサービスが70億再生というマイルストーンへの到達に大きく貢献していることは間違いない。
2017年3月3〜9日には、オーディオストリーミングの再生回数が過去最高値となる75億回を記録したとNieslsenは記している。再生回数が70億回を超えたのは今回が初めてだ。
さらに、2017年上半期の総再生回数も1840億回を突破しており、前年比で62.4%も増加している(2017年の1月1日から6月29日までの6か月間のデータをまとめたNielsenの中間レポート)。
ここに動画ストリーミングの数値を加えると、再生回数は前年比で36.4%増の2840億回以上になる。
どうやらこの再生回数の伸びの裏で、アルバム(デジタル、物理的なメディア両方)売上は落ち込んでいるようだ。
物理的なアルバムの売上は17%、デジタルは20%減少しており、TEA(Track Equivalent Albums、10トラックを1アルバムとしてカウントした数値)も同様に20%減った。つまり、ストリーミングでひとつひとつの楽曲を聞けるようになった今、音楽を購入して”保有”することへの需要が減ってきているのだ。
また、Nielsenのレポートではアーティストごとの数値も集計されており、調査期間中にストリーミング再生(オーディオ、動画を合わせた数値)された回数が1番多かったのはEd Sheeranの『Shape of You』だということがわかった。同楽曲のダウンロード売上数は200万枚で、ユニット数(ストリーミング回数)は453万単位だった。
Ed Sheeranの後には、Migos feat. Lil Uzi Vertの『Bad and Boujee』とFonsi & Daddy Yankee feat. Justin Bieberの『Despacito』が続いた。
さらにアルバム単位では、Kendrick Lamarの『DAMN』が1位を獲得し、ユニット数(アルバム・ETA売上、ストリーミングETAの合計)は177万枚だった。ちなみに、2位と3位はそれぞれEd Sheeranの『÷(Divide)』(ユニット数:174万枚)と、Drakeの『More Life』(ユニット数:169万枚)だった。
アーティストごとの詳細が知りたい方は、こちらのページからレポート全文をダウンロードできる。
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(翻訳:Atsushi Yukutake)