カジノ会社Penn National、Zynga出身者が設立したRocket Gamesを最大1億7000万ドルで買収

viva

ソーシャルゲーム会社Zyngaによるリアルマネーギャンブルへの参入はスムーズとは呼べないかも知れないが、この度Zynga出身者が手がけた同ジャンル専門のスタートアップが最大1億7000万ドルで買収されることになった。サンフランシスコに本拠を置くソーシャルギャンブル会社Rocket Gamesは、スロットマシン、ビデオゲーム機、カジノを手がけるPenn National Gaming買収された。Penn Nationalは6000万ドルを現金で支払い、そのうえで業績に応じて1億1000万ドルまでのアーンアウト(追加の買収代金)を支払うとしている。

Rocket Gamesによれば、2015年の成長率は500%で、全ソーシャルカジノゲーム会社のうちトップ15に入るという。2016年6月30日までの6か月間における営業EBITDAとして560万ドルを計上したと同社は話す。

Penn Nationalにとって今回の買収は、カジノ等での実地提供型ゲームを継続的に提供し、実地以外でもオンラインでプレイヤーにブランドと顧客関係を浸透させる手段となる。

Penn National Gamingの会長兼CEO、Timothy J. Wilmottは「Penn NationalによるRocket Gamesの段階的買収は、自社を補完するような成長中の新興プラットフォームを買収するという私たちの継続的な戦略的イニシアチブを前面に押し出すもので、核となる地域型ゲーム事業と300万人のアクティブユーザーを擁するデータベースの活用を可能にするものです」と声明の中で語っている。「2013年にゲーム関連資産を不動産資産と分離して以来、私たちは成長と多角化に向けた幅広い施策に注力しています」とも述べる。

Penn Nationalは、オンラインでは既にHollywoodcasino.com および Hollywoodslots.com を展開しており、どちらも利益を上げているという。「私たちの内部分析によれば、データベース上の重要な顧客セグメントはソーシャルオンラインゲームにも積極的に参加しています。Penn Nationalの業務、Hollywoodcasino.comとHollywoodslots.comの提供するソーシャルカジノ、そしてRocket Gamesの活動の間には、経営と収益の点で価値あるシナジーが生まれ、株主に短・長期的な成長をもたらすと確信しています」とWilmottは語る。

Wilmottによる言及こそなかったが、このような新事業へのさらなる進出はPenn Nationalのビジネスニーズを今まさに押し上げる可能性も秘めている。Penn Nationalは最新の財務レポートで、6月30日までの3か月間における純利益として7億6940万ドルを計上したと報告しているが、この数字は自社利益予想の7億8680万ドルを下回った。

Android、iOS、Amazon、Facebook向けにアプリを開発するRocket Gamesは現在、約50種類のゲームを提供している。人気タイトルにはViva Slots Vegas、Downtown Deluxe Slots、Triple Double Slots、およびVegas Jackpot Casinoなどがある。Rocket GamesではZyngaと同様に、Popeye Classic Slotsなどのゲームタイトル開発用にブランドへのライセンス供与も行っている。

2013年に設立されたRocket Gamesがこれまでに調達したプライベート資金総額は不明だ。

Rocket Gamesのファウンダー、幹部メンバー、および30数名の従業員には、Zyngaで2012から2014年に大規模な離職の波起きた際に同社を去ったシニアスタッフたちが名前を連ねる。共同設立者3人のうちの1人、Bill Gelpi(Rocket GamesのCEO)はZyngaでプロダクト・ディレクターを務めていたし、Zyngaでプリンシパル・ソフトウェアエンジニアだったSteven Jian(同CTO)やスタジオ・ゼネラルマネージャーだったNiko Vuori(同COO)なども加わっている。幹部メンバーのJustin Cooper(同チーフコンテンツオフィサー)もZyngaのユーザーエクスペリエンスVPだった。Rocket Gamesチームは買収に伴いPenn Nationalに移籍となる。

「Rocket Gamesのチーム全員、Penn Nationalファミリーの一員となること、またPenn Nationalの培った専門性と米国全土にわたるリーチを活用することで私たちのゲーム開発力と成長力を次なるレベルへと導けることを光栄に思います」とGelpiは声明の中で述べている。「ソーシャルオンラインゲームは、モバイルオンラインゲームでも極めて魅力的なセグメントです。私たちの革新的で専門的なゲーム技術が、有用な顧客データベースを持つ正統派のカジノ運営者と手を組むことで、Rocket GamesとPenn Nationalの両社にとって、またとない機会が創出されるでしょう」。

Zyngaから流出した人材は、Survey Monkeyに買収されたRenzu社、VRゲーム会社のPlayful、モバイルEメール企業のWeMailなど、多数のベンチャー企業が受け皿となった。

法律事務所のDLA Piperは、今回の買収に際してPenn National Gamingに法的アドバイスを提供したと述べている。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

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TechCrunch Japan

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