カメラを試験することがDxOMarkの仕事だが、DSLRやミラーレスは最近目立った変化や進歩や新しい機能がなくなってきたのに対し、スマートフォンなどモバイルのカメラは違う。デュアルレンズや光学ズームなど、各社がさまざまな新しい機能で競争に明け暮れているから、それらを試験して点をつける側も、日に日に新たなテスト用セットアップが必要になる。同社は最近の評価要素の構成を、このページで紹介している。
まったく新しいテストが二つあり、そして前からのテストも一部が更新された。
まず、スマートフォンカメラのズーム機能や、焦点距離の異なる複数のカメラの使用に対しては、もちろんズームのパフォーマンスをテストする。光の条件によっては、カメラ1台の方が良いのか。特殊なイフェクトや機能があるのか。モードによって優劣はあるか。などなど。
新しいテストの第二は、DxOMarkが“Depth Effects”と呼ぶイフェクトだ。いちばんよく知られているのは、iPhoneの“ポートレートモード”だろう。ユーザーの顔や体を検出し、背景をぼかす。そうすると、被写界深度が浅いような写真になる。この処理がお粗末な機種では、像が歪んだり、前景がぼけたりする。このイフェクトのスムーズさと正しさを、いくつかのテストで判定する。
合成画像は、それを“HDR”と呼んでいる機種もあるが、それは正しくない。露出の異なる複数の画像を組み合わせるのだが、これには新しい評価測度が必要だ。たぶんフレーム合成技術は、速い(明るい)レンズや感度の良いセンサーで、日常の利用に耐えうるものになるのだろう。
同社が、次に加えようとしている評価項目は、ぼくにとっても嬉しいものだ。それは、動きの捕捉の速さだ。ぼくの場合は、あまりにも多くの場合に、カメラのボタンを押したら、ねらった動きの直後しか撮れていない。まばたきをしているとか、おかしなポーズになってるとか。この、シャッターチャンスの遅れを調べて点をつける。被写体や撮影者の動きを、どのカメラが、正しく捉えているだろうか。