バークリーの培養肉メーカーNew Age Meatsは、米国時間9月27日に、シリーズAで2500万ドル(約28億円)を調達、2022年に同社初の製品であるポークソーセージの生産を開始できると発表した。
このラウンドは韓国のHanwha Solutionsがリードし、これまでの投資家であるSOSVのIndieBio、TechU Ventures、ff VCそしてSiddhi Capitalが参加している。
CEOのBrian Spears(ブライアン・スピアーズ)は化学工学のバックグラウンドを持ち、12年間にわたり研究室や産業界のオートメーションの開発に携わった後、2018年に動物の細胞から肉を作るNew Age Meatsを共同設立した。
「私たちは同じ味、香り、経験を手頃な価格で提供する、持続可能で人道的なプロセスを作りたいと思っています。Hanwha Solutionsと他の投資家の支援を得て、私たちは地球上で最も革新的な食肉企業になるという使命を達成することができます」とスピアーズ氏はいう。
今回のシリーズAでは、従業員の倍増、研究開発の拡大、アラメダに2万平方フィート(約1860平方メートル)のパイロット製造施設の建設が可能になる。今回の投資は、RXBARの創業者であるPeter Rahal(ピーター・レイホール)氏を含むグループが過去に調達した700万ドル(約7億8000万円)のシードラウンドに続くものだ。
New Age Meatsは最も早く市場に出回る食品の1つであるため、ソーセージから始めているが、最終的には牛肉や鶏肉といった他の食肉カテゴリーにも進出する予定だ。
米食品医薬品局(FDA)の承認を経て、2022年の発売を目指している。また、アジアのように豚肉を多く食べる市場からも需要があると考えている。
培養肉の分野では、技術の進化にともない新たな参入者が増えている。スピアーズ氏によると、New Age Meatsの差別化要因は肉そっくりの食感と手頃な化ック、そして大量生産が可能なことだという。
Impossible FoodsやBeyond Meatは代替肉の先行企業だが、その他の企業も培養肉にフォーカスして市場に参入してきた。ベンチャーキャピタルの関心も高く、Animal AlternativeやEat JustのGood Meatといったスタートアップもあり、後者は先に9700万ドル(約108億円)の調達を発表した。
電子メールでやりとりしたHanwha Solutionsは、同社のビジネスミッションはNew Age Meatsと一致しており、セルベースポーク市場で成長の可能性があるという。
また、世界的な気候変動への取り組みを背景に、Hanwha Solutionsは培養肉を中心としたフードテック産業の「急速な市場成長を期待している」という。
「健康的な食品や動物愛護への意識の高まりも、需要を後押しするでしょう。細胞技術を使って培養肉を製造する専門知識を持つNew Age Meatsは、私たちのビジネスの地平を広げる手助けをしてくれるでしょう」とHanwha Solutionsはいう。
画像クレジット:New Age Meats
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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)