カリフォルニア州の配車サービスのドライバー団体と、サービス従業員国際連合(SEIU)は、米国時間1月12日、同州住民立法案Proposition 22を、カリフォルニア州の州憲法に違反するとして提訴した。この訴訟の目標は、カリフォルニア州のギグワーカーを個人事業主に分類することを決めたProp 22の撤廃だ。
カリフォルニア州最高裁判所に起こされたこの訴訟は、同州議会によるギグワーカーのための補償制度の立法化と施行が、Prop 22によって阻害されると訴えている。またProp 22は、住民投票は1つの問題に限定することを定めた法令に違反し、州憲法に違反して規定された法令の修正条項であると主張している。現状では、Prop 22の修正には立法府の8分の7という圧倒的多数の賛成を必要とする。
「私のような配車サービスのドライバーは、毎日家計のやりくりに苦労しています。Uber(ウーバー)やLyft(リフト)といった企業が、我々の幸福よりも自社の利益を優先させているからです」とこの訴訟の原告であるサオリ・オオカワ氏は声明の中で述べている。「Prop 22によって、彼らは我々の健康と安全をないがしろにしているばかりか、私たちの州憲法も踏みにじっています。私は、この問題が、我々の労働から利益を得ている裕福な企業幹部ではなく、法律を作ってもらおうと私たちがが選出した人たちに懸かっていると思い、この訴訟に参加しました。裁判所はProp 22が企業の権力掌握のためだけのものであることを認め、Prop 8やProp 187と同様、Prop 22が憲法違反の法令という汚名を着ることになると信じています」
この訴訟は、ギグワーカーとテック企業との間で続けられてきた長い戦いの中の新たな一戦だ。その間、UberとLyftは、Prop 22と同等の法律を他の地域にも求めてきた。UberもLyftも、ギグワーカーは従業員ではないというスタンスを保っているため、両社がそれぞれ個別に、同様の法律が他の地域や他の国でも施行されることを望むと語ったところで、驚くにはあたらない。
Uber、Lyft、DoorDash(ドアダッシュ)からは、すぐにコメントは得られなかった。だが、Prop 22を支持するYes on 22キャンペーン、またはProtect App Based Jobs & Services(アプリベースの仕事とサービスを守れ)運動の支援者が、TechCrunchに以下の声明を送ってくれた。
「アプリベースのドライバーの大半を含む1000万人近いカリフォルニアの有権者は、歴史的にも新しい保護が受けられ、ドライバーの独立が保てるProp 22を通過させました」と、Prop 22を支持するUberドライバーJim Pyatt(ジム・パイアット)氏は述べている。「政治的な立場を超えて多くの有権者たちが明確な主張を繰り広げ、Prop 22を圧倒的大差で承認しました。疑いようのない民主主義による人々の意志をむしばもうとする無意味な訴訟は、法廷の審議を耐え抜くことはできません」。
カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:Proposition 22、カリフォルニア、裁判、ギグワーカー
画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP via Getty Images / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)