2016年のお家騒動で何かと話題になったクックパッド。同社は8月9日、2017年2Qの決算を発表した。内部の混乱が続いたクックパッドだが、今回の決算内容は投資家にとっても残念な内容だったみたいだ。
決算発表から読み取れるのサマリーは以下の通り:
- 売上は前年同期比13.3%減の約71.1億円、営業利益は9.7%減の約30億円だった。
- 一方、税引き前の四半期利益は増加していて、前年同期比8%増の約40.7億円だった。ただし、これは株式売却益により金融収益が増加したことによる。
- 会員事業の売上は増加。前年同期比7.9%増の約34.7億円だった。うち、レベニューシェア売上は約10.8億円(同9.8%増)。
- 広告事業の売上も減少している。前年同期比12.7%減の約21.9億円だった。
国内のプレミアム会員数が減少
決算説明資料を見てみると、クックパッドの有料会員数は2015年から一貫して上昇を続けている。しかし、この会員数がここ数年で初めて減少していたことが今回の決算発表で分かった(参考として、2013年からの会員数推移を示した図も下に掲載する)。
2017年2Q時点の会員数は193万人で、1Q時点の195万人よりも2万人減っていることになる。クックパッドの会員事業について、同社は「大手検索エンジンのアルゴリズム変更による新規流入の減少が影響」したと説明している。
では、海外はどうだろうか?クックパッドは2016年12月からイギリスに第2本社を設置するなど、海外事業により一層取り組んできた。
2017年2Qの決算によれば、海外のレシピサービスの月別平均利用者数は3086万人。前四半期の2938万人より増加してはいるが、最も会員数が多かった2016年4Qの水準(3260万人)にはまだ回復していない。
今回の決算発表を受け、8月10日の株式市場でクックパッドの株価は大幅に下落した。同社の株価は9.74%下落し、年初来安値を記録している(記事執筆現在)。
クックパッドを主軸とした「レシピサービス事業」は、同社の売上の90%以上を占める“命綱”であることは確かだ。
同社の説明の通り、この不調が検索エンジンのアルゴリズム変更による一時的なものなのか、それとも、なにか別の問題があるのかを知るためにも、来期以降の決算には注目だ。