今週初めにGoogleは、Google Compute Engineの料金を一律に10%値下げした。費用はきわめて低くなり、ほとんど誰にとっても、インフラをクラウドで動かすためのコストは些細なものとなった。でもクラウドの価格競争がこれ以上続けば、最終的にどこまで安くなり、そして実際にどこかが最終的な勝者になるのだろうか?
最低の料金とはもちろんゼロだが、しかしこれらの企業には経費が発生するし、クラウドコンピューティングのビッグスリー、Google、Amazon、MicrosoftにとってIaaSは副業だが、サービスを無料にすれば株主が黙っていないだろう。今それは、ゼロに急速に近づいているとはいえ。
そして今週は、OracleがそのDatabase as a Serviceの料金をAmazonと同程度まで値下げすると発表して、世間を(少なくともぼくを)驚かせた。長年、料金が高いことで有名だったOracleが、価格戦争に加わるというのだ。ビッグスリーにはそれなりの来歴と状況があるが、Oracleはエンタプライズソフトウェア(およびハードウェア)で高い利益を得てきた企業だから、おどろきだ。
でもこれが、今日のクラウドの料金の現状だ。SalesforceやBox、Zendesk、WorkdayなどのSaaSたちはこのような値下げ競争に走らないようだが、インフラ屋さんたちはこぞって値下げ合戦に参加し、下向きのプレッシャーが今も続いている。そのうち、店をたたんでしまう企業も、出現するのだろうか。
どれだけ料金が安くなっても、今だにクラウドを疑問視する企業は少なくない。でもそんなCIOたちも、どこまで、クラウドの低料金を無視できるのか? 今や、インフラの自前化にこだわることは、良い経営判断とは言えないし、大企業がクラウドサービスに対してどれだけ不安を抱いていても、その低料金は無視できないだろう。
しかし、悪魔は細部に宿るとも言う。インフラの一部をビッグスリーに移行すると、テレビのケーブル企業と同じく、最初はお試し料金だ。お試し期間が終わり、なかなかいいから使い続けようとすると、料金の高いプランを押し付けられる、という定石がある。
今後クラウドベンダが全員この手を使う、という兆しはもちろんない。むしろ今は価格競争が激しいから、それはできない。他社が値下げに走っているときに、高料金のサービスを顧客に押し付けるなんて。
でも、ここがベンダにとって難しいところだ。これ以上の価格競争は、もうそれほどの営業効果を上げないかもしれない。しかも計算機使用の料金は、定額制ではない。彼らが料金を下げ続ける理由は、実際の料金が動く標的だからだ。コンピューティングのコストは、ハードウェアと電力が無料にならないかぎりゼロにはならない。ビッグスリーはある時点で、この危険なゲームをこれ以上続けるのか、決断しなければならないだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))