広告プラットフォームを運営し、モバイル分析も行っているFlurryから、2013年クリスマス近辺のアプリケーションダウンロード動向についての年次レポートがリリースされた。例年のように、やはりクリスマスのアプリケーションダウンロード数は大幅に増加している。プレゼントにもらったiPadを開封して、そしてソフトウェアをダウンロードするという振る舞いがあちこちで行われているわけだ。但し、「クリスマスといえばアプリケーション」という動きは、徐々に落ち着きを見せ始めるのかもしれないという数値も出ているのだそうだ。
アプリケーションのダウンロード数で見ると、今年も過去最高を達成し、そしてクリスマス当日のダウンロード数も2012年比で11%の伸びとなった。しかしこの数字、ここ数年の伸び率に比べると大いに減ってしまっているのだ。たとえば2011年と2012年を比較すると、クリスマスのダウンロード数は90%の増加となっていた。また12月全体で見ても、2011年に比べて2012年は97%増となっている。しかし今年は、クリスマス当日についてはさきほどの通り11%。12月全体で見ても25%という数値になっているのだ。
Flurryは、数値的な減少傾向を、先進国におけるスマートフォンおよびタブレット市場が成熟期に入っていることによるものだと結論づけている。「飽和」しているという言葉は使っていないが、スマートフォンやタブレットが世に出てきてそれなりの年月が経過している。しかも毎年毎年、かなりの数が販売されてきた。そうであってみれば、今後の市場成長見通しについて、懐疑的になるむきもある。
クリスマス当日のダウンロード数と、12月中クリスマス前のダウンロード数を比べると、クリスマス当日のダウンロード数が91%の増加を示している。やはりプレゼントが貰える日は、皆が喜んでアプリケーションをダウンロードしているのだ。但しこれも「落ち着き」が見られる状況ではあるようだ。すなわち2011年や2012年においては、クリスマス当日のダウンロード数は通常の日の2倍以上になっていたのだ。今年はこの指標に届かなかったということになる。
ダウンロード数の変化が落ち着きつつあるというデータが、すなわちスマートフォン市場が停滞しつつあるということを意味するものではない。クリスマス当日のダウンロード数が思ったほどに増加しないのも、これはスマートフォンがより日用品化していることの現れであるとみることもできる。アプリケーションストアも生活の一部に入り込んでいるのだとみる見方だ。以前はプレゼントしてもらって、説明を受けながらアプリケーションをダウンロードして試してみるという人も多かった。しかし今ではいつでも自分でアプリケーションを購入するというスタイルが広まっていると見ることもできる。新しいデバイスがアクティベートされるのは、やはりクリスマスが多いようだ。しかしこちらでも普段の日との差は縮まりつつある。
ディベロッパー側の話とすれば、ホリデー期間に価格を下げるなどのセールスを行うことの有効性は間違いないと思われる。しかし大幅な値下げを行って、販売額の低下を量で補おうという考えはうまくいかなくなりつつあるのかもしれない。この傾向が続いて、クリスマスといえども普通の日と変わらないというところまでいくのか、それとも、普段の日との差は小さくなりつつも、それでもクリスマスのダウンロード数は他の日を凌ぎ続けるのかどうか、これから数年はデータを楽しみにみていきたいと思う。
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(翻訳:Maeda, H)