グーグルがスマートグラスのNorthを買収、Focals 2.0は出荷中止

Google(グーグル)は6月30日のブログ投稿で、カナダのスマートグラス企業であるNorth(ノース)の買収を発表した。Northは2012年にヒューマンインターフェイスハードウェアのスタートアップであるThalmic Labs(サルミックラボ)として誕生した。グーグルは買収の詳細を明らかにしていないが、先週The Globe and Mail紙が買収観測を最初に報じた。グーグルのデバイス&サービス担当副社長であるRick Osterloh(リック・オスターロー)氏がブログを執筆した。同氏は、買収の主な動機としてNorthの「強力な技術基盤」を挙げた。

同氏はまた、グーグルの「アンビエントコンピューティング」開発に関するこれまでの取り組みについて強調した。アンビエントコンピューティングとはユーザーの日常生活に溶け込みバックグラウンドで行われるコンピューティングであり、今回の買収の背景にある戦略的な理由だ。オスターロー氏によると、Northはキッチナー・ウォータールー地域に拠点を構えるグーグルのチームに加わり、グーグルの「ハードウェアに関する取り組みとアンビエントコンピューティングの未来」を支援する。

別のブログ投稿で、Northの共同創業者であるStephen Lakeスティーブン・レイク)氏、Matthew Bailey(マシュー・ベイリー)氏、Aaron Grant(アーロン・グラント)氏は、買収について彼らの見解を述べている。今回の買収は「共有するビジョンを大きく前進させる」ため理にかなっていると語っている。また続けて、買収により、Northが昨年リリースした第1世代スマートグラス製品であるFocals 1.0のサポートを終了し、この数カ月にわたりリリースに向け苦しみながら準備してきた第2世代バージョンのFocals 2.0の出荷を中止することになるとも述べている。

Focalsはリリース後にメディアの注目を集め、これまでに発売された中で最も消費者に優しいウェアラブルグラスコンピューティングインターフェイスとなった。通常の眼鏡に非常によく似ており、アクティブコンピューティングコンポーネントを大きなアーム(つる)に収容しているが、メッセージやナビゲーションの方向などを示す透明なディスプレイ層はフレーム内に収めた。

Focals 1.0のデビューに関してNorthの共同創設者兼CEOのレイク氏は、同社は最初に開発したのはMyo(ミオ)ジェスチャーコントロールアームバンドで、それにより未来のアンビエントスマートコンピューティングプラットフォームと自然に関わる方法を作り出したと語った。腕を動かすとMyoは体が生成する電気信号を読み取り、コンピューターへの入力情報に変換する。MyoはGoogle GlassのようなウェアラブルコンピューターやVRヘッドセットなどと連携するよう設計されたが、連携相手となる機器が制御という点で全く物足りないものだとの認識に至り、Focalsを開発して根本的な問題に取り組むことにした。

だがFocalsにはいくつか大きな制約があった。購入したい人は最初にフィッティングのために物理的に出かけて行き、準備ができたらもう一度調整に行く必要があった。また非常に高価であり、通常の眼鏡をかける者の多くが必要とする処方箋をすべてサポートしているわけではなかった。Apple(アップル)のiMessageプラットフォームへのアクセス制限を含むソフトウェアの制約も、アップルのモバイル機器ユーザーの利用を妨げた。

North(およびその前のMyo)は、近くにあるウォータールー大学から才能ある優れたメカニカルエレクトロニクスのエンジニアを採用してきたが、同社のアイデアはだいたい消費者の関心を引き付けることに失敗してきた。経営を独立して持続するにはそうした消費者からの関心が必要だ。同社は創業以来、約2億ドル(約210億円)の資金を調達した。上述したように、グーグルが支払った総額は明らかではないが、大ヒットといえるようなイグジットではなかったようだ。

Northはユーザーへのメールで、Focalsの購入代金をすべて払い戻すと述べた。おそらくソフトウェアサポート終了についての苦情を一掃するためだ。サポートは比較的すぐ、2020年7月31日に終了する。

画像クレジット:North

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(翻訳:Mizoguchi