米国時間10月14日、Google(グーグル)はモバイルデバイスでの検索の動作をまず米国で変更することを発表した。現在はスマートフォンで検索結果の最後までスクロールすると、タップして次のページを表示する必要がある。今後は検索結果の続きが自動で読み込まれ、下へスクロールしていけば他の情報を続けて見られるようになる。
この変更は当面、米国で英語で検索した際にモバイルのウェブで動作し、iOSとAndroidのGoogleアプリにも対応する。徐々に導入されるため、はじめのうちは検索結果が連続スクロールすることもあれば、しないこともあるようだ。
Googleによれば、多くの人は先頭のいくつかの検索結果から目的の情報を見つけるが、さらに情報を求める人は検索結果を4ページブラウズする傾向がある。そこで同社は変更を加えることにしたとTechCrunchに語った。多くの情報を求める人はページ下部の「もっと見る」をタップする必要がなくなり、これまでよりもシームレスにベージを行き来できる。
Googleは、単に答えを見つけるのではなく特定のトピックに関してアイデアやヒントを求めて検索する人にとって特に役に立つだろうと述べている。
この設計には、Googleが言及していない利点が他にもある。
まず、連続してスクロールするなら、検索のどこかの時点でストップしてからリンクをタップして移動する必要がなくなる。この動作はデスクトップ時代のウェブ検索の名残りだ。この「クリックして詳しく」というタイプの設計は、例えばFacebookのニュースフィードのようにアプリ内のフィードが延々スクロールして新しい情報が表示される世界では時代遅れだと感じる。また、連続スクロールによって、ユーザーはこれまでよりも長い時間アプリを見ることになり、広告が多く目に入るかもしれない。
連続スクロールにすれば、Googleは広告をこれまでより柔軟に配置できる可能性がある。検索結果ページの上部に限られていた広告を、下ヘスクロールするにつれて検索結果の途中に挿入することができるだろう。SNSのフィードの途中に広告が表示されるのと同様だ。
Googleは今回の変更にともなう広告の計画を詳しくは明らかにしなかったが、同社はTechCrunchに対し、米国(英語)のモバイルの検索結果でページの上部と下部の間に表示されるテキスト広告の数を再配置する予定だと語った。テキスト広告は2ページ目以降の上部に表示され、各ページの下部に表示されるテキスト広告は減る。しかし現時点では、ショッピングと近隣の広告の表示には変更はないものと思われる。
また、Google検索は情報のボックス、検索の提案、ショッピング「ビデオ」など他の分類へ移動するボタンなどでごちゃごちゃしてきたため、検索結果の中から適切な項目をタップして進むのが難しい。ユーザーの目を引いてタップさせようとするためにボタン類の色が暗くなるので、さらに難しくなっていた。
今回の変更は、2021年1月にモバイルの検索結果ページをモダンなデザインに変更すると発表したことに続くものだ。1月の変更の主眼は検索結果を見やすくすることで、そのために余白を増やして一部には色を付け、フォント(実はGoogle独自のフォント)を大きく太くし、丸くて影が付けられていたボックスをシンプルな直線にするなどの変更が加えられていた。
ただ、その時の変更は主に検索結果の表示に関することで、動作の変更ではなかった。
Googleによれば、連続スクロールは米国で公開が開始されている。
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画像クレジット:Google
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)