米国時間10月27日、GoogleはAndroid 12Lのプレビューを発表した。Androidのニューバージョンのように聞こえるかもしれないが、Googleはこれを「Android 12を大画面向けに機能を限定して最適化したもの」だという。
その目的は、タブレットや折りたたみスマートフォン、Chrome OSを搭載したノートパソコンなど、ディスプレイが600dpi以上のデバイスに、改良されたユーザーインターフェースを提供することだ。
実際に試してみたい開発者には、すでにAndroid 12Lのデベロッパープレビューが提供されており、Android 12LエミュレータとAndroid Studioのサポートもある。
Googleによるとスマートフォンでも12Lを使えるが、誰も混乱する必要はない。というのも、スマートフォンは対象外であるため、その新機能の多くを見ることができない。Pixelデバイスのベータ登録は、プレビューの後半にローンチする。
Googleが今回の発表で「feature drop」と「feature update」という表現を使っていることから呼んでいることから、AppleがiOSとiPadOSを分割したように、これらのデバイス向けにAndroidを完全に分割することはないと考えられる。今回のアップデートでは、マルチタスクツールの追加やユーザーインターフェースの最適化など、大画面端末向けの機能が追加されている。また、Android 12Lでは、デフォルトでアプリの表示が改善されている。
具体的には、通知やクイック設定、ロック画面、概要、ホーム画面などが、大画面上では洗練されたものになる。システムアプリも、Android 12Lでは最適化される。
おそらく最も興味深いのは、新しいマルチタスキング機能と、そのための、iPadOSにやや似たタスクバーだろう。Androidはすでに、タブレットで分割画面モードをサポートしているが、Googleによると、今度のはもっと発見がしやすい。アイコンをタスクバーから画面上にドラッグ&ドロップするだけで、それが起動する。このことはまた、Android上のすべてのアプリが分割画面モードをサポートできる、という意味だ(前はデベロッパーがオプトインする必要があった)。
Googleの予定では12Lは2022年の早くにリリースされ「Android 12タブレットと折りたたみスマートフォンの次のブームに間に合うようにする」という。つまり次のMWCは、Androidタブレットとフォルダブルで盛り上がる、ということだ。
Android 12Lだけでなく、Googleは本日、OSとPlayの、やはり大画面向けの新しい機能を発表した。それにはMaterial Designガイダンスの大画面向けアップデートも含まれるが、Jetpack Composeもアップデートされて、これらのマシン用のビルドが容易になり、アプリは画面の異なる方向(縦横)に簡単に適応できるようになった。Android Studioのエミュレータもサイズを変えられるようになり、デベロッパーはアプリをいろいろな画面サイズでテストできる。またレイアウトがおかしいときは、ビジュアルリントツールがUIの警告や提案を出す。
Google Playに関しては、アプリを大画面アプリのクオリティガイドラインに照らしてチェックし、検索結果のランク付けでも、このチェックの結果が反映される。「大画面向けに最適化されていないアプリに関しては、そのようなデバイスをユーザーが使っている場合、アプリのPlay Storeのリスティングページに警告と注記を表示します」とGoogleはいう。
画像クレジット:Google
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)