世界で最も使用されているモバイルOSであるAndroidは、独自のセールスポイントを確立し、AppleのiOSとの差別化を図るべく、着実な歩みを続けている。Pixel 3以降で利用可能なこの新OSのAndroid 12は、同OSの長所をさらに強化するとともに、いくつかの新機能も追加されている。
誰もが、これまでに製造された他のすべてのデバイスと基本的に同じに見えるスマートフォンを持つようになると、パーソナライゼーションがより重要になる。Google(グーグル)はMaterial You(マテリアルユー)機能をOSに導入し、壁紙を変更すると、Android 12エクスペリエンス全体がその色に合わせて変化するようになった。OSには色抽出アルゴリズムが搭載されているため、すべてが統合され、洗練されて見える。ロックスクリーン、通知、設定、ウィジェット、そしてアプリまで、すべてがパーソナライズ可能だ。Material YouはPixelに先行して搭載され、他のデバイスメーカーの端末にも順次搭載されていく予定だ。
セキュリティとプライバシーは、このOSのもう1つのテーマだ。例えば、Android 12では、スムーズに機能するためにおおよその位置情報しか必要としないアプリから、正確な位置情報をプライベートにしておくことができる。また、アプリがマイクやカメラ機能を使用しているかどうか、ステータスバーに表示される新しいインジケーターで確認できる。さらに、OS全体でカメラとマイクをオフにしたい場合は、クイック設定で新しいトグルスイッチを使ってオフにすることができる。また、忘れていたアプリをロックダウンする機能も追加され、数カ月間使用しなかったアプリの許可を自動的に取り消すことができる。
またこのOSでは、位置情報とBluetoothの関係がようやく切り離された。Googleは次のように述べている。「ワイヤレスヘッドフォンは携帯電話に接続する必要があるが、あなたがどこにいるかを知る必要はありません」。Android 12では、それがようやく可能になった。
Googleは、以前のOSリリースで、Googleレンズのための大量の新しいAndroid機能を導入した。例えば、任意のスクリーンショットで光学式文字認識(OCR)を行うことができるようになった。Android 12では、その機能に加えて「スクロールスクリーンショット 」などの拡張機能が追加されている。画面の端に到達したからといって、スクリーンショットの端に到達する必要はない。新しいスクロールスクリーンショットを使えば、ページ上のすべてのコンテンツを1枚の画像に収めることができる。これは賢い。
新フィーチャーは機能性にとどまらず、Android 12では省電力機能やアクセシビリティの向上も実現している。また、ホットアップデートの導入により、同じアプリのアップデートがバックグラウンドでダウンロード、インストールされていても、そのアプリを使い続けることができる。ポケモンGOを数分間中断しなければいけないことなど、あってはならない。
GoogleのAndroid 12 OSは、米国時間10月19日より対応機種に順次導入される。
画像クレジット:Google
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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)