グーグルがIBM Power Systemsを自社クラウドに統合

Google Cloudがプラットフォームに移行する企業を増やそうとしている中、企業が簡単にレガシーなインフラやワークロードをクラウドに置き換えたり移行したりできる必要がある。これらのワークロードの多くは、Powerプロセッサを搭載したIBMのPower Systems上で稼働しており、これまでクラウドベースのPowerシステムを提供しているベンダーは実質的にINMだけだった。しかし今回グーグルはIBMと提携して、IBM Power Systems on Google Cloudをローンチすることで、この分野に参入しようとしている。

「既存のインフラストラクチャを近代化し、ビジネスプロセスを合理化するためにクラウドを検討している企業には、多くの選択肢がある」と、Google Cloudのグローバル・エコシステム担当副社長のKevin Ichhpurani(ケビン・イチプラニ)氏は述べている。「一部の組織はクラウドを採用するために、レガシーシステム全体を再構成している。しかし他の多くの企業は、クラウドの柔軟な消費モデル、スケーラビリティ、人工知能、機械学習、アナリティクスなどの分野での新たな進歩から恩恵を受けながら、既存のインフラを引き続き活用したいと考えている」。

多くの企業がSAPやOracleのアプリケーションやデータベースに基づくミッションクリティカルなワークロードにPower Systemsのサポートを利用していることを考えると、グーグルによるPower Systemsのサポートは明らかにこの分野に適している。これにより、アプリケーションやインフラストラクチャを再設計することなく、ワークロードを段階的にクラウドに移行できる。Power Systems on Google Cloudは明確にGoogleのサービスや課金ツールと統合されている。

これはエンタープライズ向けのサービスであり、価格は公開されていない。Powerベースのサーバコストを考えると、分単位の格安な価格が存在しない可能性がある。

IBMは自前のクラウドサービスを提供していることから、グーグルと組んで自社サーバーを競合他社のクラウドに導入するのはいささか奇妙だ。もちろん、Powerサーバーをもっと売りたいのだろうが。一方で、より多くのエンタープライズワークロードを自社プラットフォームに移行させることを使命としているGoogle Cloudにとって、今回の動きは理にかなっている。グーグルが取り除くことのできるあらゆる障害は同社を有利にし、企業がそのプラットフォームに慣れるにつれ、他のワークロードを持ち込む可能性が高い。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

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TechCrunch Japan

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