コーディーネート不要で衣替えも簡単、必要な服が季節ごとに届く定額制サービス「Robes」公開

「買い物に行ってもどんな服を買えばいいのかわからない」「普段の着まわし、コーディーネートに悩んでしまう」「着ない服が増えて処分するのが面倒」——。

もしこういった“洋服”に関する悩みに心当たりがあれば、今回紹介する「Robes(ローブス)」をチェックしてみるといいかもしれない。本日10月16日にリリースされたこの男性向けのプロダクトは、季節ごとに毎日着る服を自宅まで届けてくれる。

毎日着る服が着まわし例と一緒にまとめて自宅に届く

Robesの使い方はとても簡単だ。まず最初に骨格診断をベースにした独自のスタイル診断を受ける。といっても店舗に足を運んだり、自分の体型を撮影したりする必要はなく、オンライン上で約8問ほどの質問に答えるだけ。その結果に合わせていくつかの「コーデセット」が提案されるので、気になったものを選べばOKだ。

各セットはアウター、インナー、ボトムスといったアイテムが合計5点含まれていて、ユーザーは自身の用途や好みに合わせてアイテムを追加したり、組み替えたりすることも可能。料金はミニマムで月額7800円からの定額制(アイテムの数やコーデセットによって異なる)で、ユーザーは3ヶ月ごとにアイテムの衣替えを行っていくというのが基本的な使い方だ。

スタイル診断では「筋肉がつきやすい」「肩幅が広く、骨格がしっかりしている」といった質問に答えていく

診断結果として自分の体型の特徴が表示される

自分の診断結果に合わせておすすめのコーデセットが複数表示

届いた服の中だけで着回せるコーディネート例が1日ごとに表示されるため、コーディーネートを考えるのが苦手なのであれば、これに合わせて服を選べばいい。今後は白シャツなど基本的なアイテムとの着まわしイメージや、各コーデセットに合う靴や小物を提案する機能も追加していきたいという。

ちなみにRobes代表取締役兼CEOの藤原光汰氏によると目安としてはアイテム7点で約10種類のコーデを作れるそう。たとえば土日だけ私服を着るような人であれば月額7800円からのミニマムプランで5アイテム(3〜4コーデ)、毎日着る服をRobesで全てまかないたい人は月額1万2000円で7アイテム(8〜10コーデ)くらいの金額感が1つの目安になるとのことだった。

「洋服の消費サイクルを全部丸投げできるECを作っているという感覚。これまで『服を買う』『合わせる(コーディネートする)』『処分する』という3つのポイントに対して、個別で解決してくれる手段はあったけれど、その流れにのって全てを解決するものはほとんどなかった。洋服の消費サイクルを圧倒的に簡単にできることがRobesの特徴だ」

サービスの概要を見たときに「airCloset」や「leeap」のような定額制のファッションレンタルサービスをパッと思い浮かべたのだけど、根本的なサービスの思想が異なるというのが藤原氏の見解。Robesの場合はものすごくオシャレな洋服を着回せるという訳ではなく「服に関して悩む時間がなくなる、一連の消費行動が簡単になることが価値」だという。以前クローズド版を試してもらったユーザーの声を聞いても、そこにメリットを感じていた人が多かったようだ。

もちろん提供する服にもこだわりはある。Robesで自宅に届く服はファッションブランドが抱える余剰在庫から選定したもの。そうは言っても売れ残った人気のない洋服というわけではなく、セレクトショップなどで一度売り切れて追加発注した結果少し余ったものなどが中心で「どこに出ても恥ずかしくないような服をコーディネート例も込みでしっかりと提供していく」方針だ。

余剰在庫という性質上、Robesとしては低価格で仕入れることができるのもこのビジネスのポイント。藤原氏の話ではユーザーの元に届く洋服は全て新品で、返却された服については基本的に法人向けに販売していくという(なおユーザーは手数料を支払えば気に入った洋服をそのまま購入することも可能)。

「自分がめちゃくちゃ欲しかったサービス」で起業、数千万円の調達も

Robesは2019年4月の創業。代表の藤原氏はAIレシピアプリ「レキピオ」を手がけるレキピオの共同創業メンバーの1人で、前職のバンクにて「CASH」や「TRAVEL Now」の運営に携わった後、自身でスタートアップを立ち上げた。

藤原氏いわく「自分自身がユーザーとしてめちゃくちゃ欲しいサービスを作りたい」という思いが起業のきっかけなのだそう。一方でそれに対してどれくらいの人が興味を持ってくれるのか、実際にお金を払ってまで使ってくるのかが定かではなかったため、まずはクローズド版を作り検証を進めてきた。

たとえばRobesを使う際のファーストステップであるスタイル診断は今回から追加したもの。注文に至らなかったクローズド版ユーザーからの「自分に合うかわからないし、納得感に欠ける」というフィードバックを受けて、新たに取り入れた。

「ユーザー数自体は限られていたが、一部では確実に熱狂が起こっていた。たとえば夏のタイミングで一度サービスをストップした時に『継続する予定だったので夏服を全く買っていない』という声が届いただけでなく、『洋服を周囲に褒められて自信が持てるようになった』という感謝のメールも頂いた。月次の継続率自体も納得できる数字が出ていて、定量的にも定性的にも手応えを掴めた」(藤原氏)

Robesでは今回サービスの正式リリースと合わせてアプリコットベンチャーズ、エニグモ 、光本勇介氏、河合聡一郎氏よりシードラウンドにて資金調達を実施したことも明かしている(具体的な金額は非公開だが数千万円規模とのこと)。

今後は調達した資金を活用して開発体制を強化しプロダクトのアップデートを進めるほか、マーケティグへの投資も行っていく計画のようだ。なおエニグモについてはシナジーありきではなく純投資とのことだけれど、ゆくゆくは事業上の連携も視野に入れていきたいとのことだった。

「最終的にやりたいのはユーザーの家のクローゼットを全てオンライン化していくこと。“クラウドクローゼット”のような概念が実現できれば、そこからさらに面白いチャレンジができるのではないかと考えている」(藤原氏)

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TechCrunch Japan

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