コーヒーショップのモバイルオーダーを支援するJoe Coffeeが約1.4億円を新規調達

コーヒーショップに入り浸り、1杯のコーヒーを3時間かけて飲みながら無料のWi-Fiでインターネットをだらだらと見る日々は消えてしまった。少なくとも、そんなことはしばらくしていない。いまとなっては別世界の話のようだ。これはちょっと不安でもある。

しかし依然としてコーヒーショップはビジネスを安全に続ける方法を見つけたいと思っているし、人々はコーヒーを求めている。多くの州で注文が持ち帰りのみに制限されている中、飲食業全体でモバイルオーダーが大幅に増えている。スターバックスなどすでにモバイルオーダーを導入していた企業はいいが、多くの小規模店舗は何とかしようと急いでいる。とはいえ独自アプリをつくるのは厄介だし、人々にそのアプリをダウンロードしてもらうのも難しいだろう。

ここ数年、シアトルを拠点とするJoe Coffeeは独立系コーヒー店のためのモバイルオーダーの「ネットワーク」を構築してきた。基本的には、近所にあるスターバックス以外のコーヒーショップに注文をするためのワンストップのアプリだ。同社は以前に220万ドル(約2億3600万円)を調達していたが、この数カ月で利用が急増しコーヒーショップからの関心も高まってきたことから、需要に応えるために新たに130万ドル(約1億4000万円)を新たに調達した。

CEOのNick Martin(ニック・マーティン)氏は筆者に対し、3月以降に売上がおよそ20倍になったと述べた。また、パンデミックの間にチップの平均額が2倍以上になったという。これは、この時期に人々がカウンターの向こうにいる人に思いやりを示そうとしているいい兆候だ。同社が2回目のシードと呼んでいる今回のラウンドは、Craft Venturesが主導し、前回も投資したFlying Fish Partnersが支援した。

Joe Coffeeの役割は2つある。消費者に対しては、注文とプロモーション機能を持つモバイルアプリとウェブのインターフェイスを提供し、「Joeネットワーク」全体で利用できるポイントシステムもある。コーヒーショップに対しては、アプリを顧客に紹介する看板と、バリスタが注文を処理し取引をするインターフェイスを提供し、傾向を知るためのレポートと分析の機能もある。対価として、同社はクレジットカードの手数料を含めて注文ごとに9%の手数料を受け取る。

Joe Coffeeはもともと地元のシアトルだけを対象として、およそ300軒のコーヒーショップを支援していた。2019年8月に他の地域にも拡大し、2020年1月からは米国全土へと展開している。米国時間7月9日にマーティンは筆者に対し、米国全体で1000店以上と提携していると述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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